気になっている“アイツ”(ユニット:代行者一行)

「名前はリルヤ。私と同じ、死神よ」

「みー……死神、意外と多い」


 自身の周囲にいる死神の数に驚くミミミ。自身は元より、代行者しかり、スィルしかり、そしてリルヤしかり。


「見過ごしてはおけない。それに、あなたとは……友達に、なってみたい」

「あら?」


 とはいえ、同じ死神であることにシンパシーを感じたのか、ミミミが積極的にスィルにアプローチする。


「好意を抱いてくれているのは嬉しいけど……私、けっこうひねくれものよ」

「みー……それでもいい。気にしない」

「なら、決まりね」

「うん。私たち、友達」


 こうして二人は、あっさりと友達になった。


「それで、リルヤの話だったわね」

「うん。女の子?」

「いいえ、男よ。もっとも、見た目はそう間違えても不思議じゃないけどね」


 見た目といい名前といい、女の子に間違えてしまう男のである。


「人となりは……そうね。とっっっても腹が立つわ」

「みー……なのに、気になるの?」

「当たり前でしょ! 妙に張り合ってくる上に可愛い見た目してて、でも性格はそんなに可愛くない上になぜか同じ場所に生まれたんだから! おまけにとってもねちっこくて、しかも強いのよ! 気にならないわけがないわよ!」


 若干、いやかなり支離滅裂であるが、スィルがリルヤに抱く思いは十分に伝わった。

 ……そう、格納庫じゅうに。


「それって『大好き』ってことだよね!」


 沈黙をぶち壊したのは、カティンカである。


「はぁ!? 今のどこを聞いたらそうなるの!?」

「だって、そんなに一生懸命熱を込めて言えるってことは、そうでしょ? 違うの?」

「だだだ誰があんなヤツ……!」

「説得力なーい」

「うっ……」


 カティンカの冷ややかな視線を受けて、言葉に詰まるスィル。

 おおむね見た目通りの性格をしているカティンカは、純粋無垢な面を持っているがゆえにツッコミを入れたのだ。ただし、良い意味か悪い意味かは分からないが。


 そんなカティンカは、悪気なく追撃を入れる。


「じゃあ、“大好きな男の子を助けよう”ってなるよね!」

「も……もう、それでいいわ……」

「そもそも我も、とハッキリ言ったからな。今さらであろう」


 珍しくダメ押しをしてくる代行者の言葉に、さらにうなだれるスィル。




 そんな彼ら彼女らの様子は意に介さず、ゲルゼリア改は悠々と、しかしやや急いでエリア0に向かっていた。


---


★解説

 大変、大変、長らくお待たせいたしました。

 今一度、追いつくために書く所存でございます。


 なお、過去の内容の読み返しは行いますが、長期休載状態に伴う表記揺れや(自作ユニットの)設定上のミスなどが生じる場合がございます。

 悪しからず思っていただきたいと同時に、コメント欄にてコソッとご指摘くだされば幸いです。

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