ワガママ乙女の元に1(ユニット:代行者一行)
戦艦ゲルゼリア改。
現在は神錘の代行者の要望によって、エリア6へ向かっていた。
「戦闘が頻発していますな」
そう語るのは、船長を務める
「情報は送られています。元々このエリアは戦場でしたが、今なお戦火が絶えることは無いのだとか。とはいえ……この艦の装備を考えれば、脅威たりえる存在は少ないでしょう」
エリア5で回収したデータを基に、ロイヤが分析する。アンドロイドだけあって、情報処理もある程度はこなせるのだ。
「……む」
と、代行者が天啓を得る。
「ここまで近づいてもらえれば十分だ。後は我らが、直接向かう」
「どちらに?」
「あの要塞だ。それ以上近づいたら危険だ。攻撃の兆候がある」
代行者の言葉通り、要塞に据え付けられた砲台がグルリと旋回し、ゲルゼリア改を
無警告で砲撃してくる性質を持つそれらは、今にも火を噴こうとしていた。
「我らは一度、この
「では、着陸を」
「無用だ。あくまで運んでもらうだけに過ぎん。義理は十分に果たしている」
「お心遣い、痛み入ります。ですが、我々にも矜持が。オトリ役はお任せください」
「であれば、頼むとしよう。ああ、甲板に向かわせてほしい」
「案内役を派遣します」
代行者一行はブリッジを離れ、案内役の誘導に従って甲板へ向かう。
「こちらです」
「感謝する。……さて、ここであれば飛べるな。では、行くとしよう。ヴィグバルトよ」
「承知」
自身を含めた全員に隠形をかけた代行者は、竜化したヴィグバルトの背に乗る。
「この艦を狙っている以上、低く飛ばねばな」
「地表近くを這うように飛ぶ。隠形に頼り切りにはせぬとも」
「流石だな。では、要塞までは頼む。そこからは我の役目よ」
「委細承知した」
かくしてヴィグバルトに連れられた代行者一行は、誰の目にも触れずに要塞へ向かう運びとなったのであった。
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