黒抗兵軍第2中隊『清白(すずしろ)』編成2(ユニット:FFXX本隊)

「まずは中隊名だ! えーと……あれ、環境依存文字? チッ、似た文字で代用すっか……」


 ドミニアの端末にも、環境依存文字という概念は存在する。端末のバージョンやモデル次第では、正しく表記されないのは、ゼルシオスの前世と同様だった。


「あー、仕切り直し! ……コホン。小隊編成を発表するにあたって、まず最初はあんたらの規模総数に合わせた部隊……中隊としての名称から定義する! 第1……はもういるって聞いたんで、さしずめ黒抗兵軍こっこうひょうぐん第2中隊ってとこだな! そんでその第1中隊が『菖蒲しょうぶ』って名前、っつーのも聞いたんで……」


 独り言混じりに、黒抗兵軍の面々へ告げる。

 ゼルシオスの胸中は、ニヤニヤとした笑みが浮かぶほどの“面白さ”に満ち満ちていた。


(七草たぁ、いいセンスしてんじゃねぇか。こっちはちょいとヒネるが、合わせてやんぜぇ!)


 白い歯が覗くほどの笑みを浮かべたゼルシオスが、中隊名を発表する。


「あんたらの部隊名は、“黒抗兵軍第2中隊『清白すずしろ』”! それが俺たちから呼ぶ、あんたらへの呼びだ!」


 その宣言に、どよめきが巻き起こる。

 ほとんどの人間は漢字を知らないのだが、ゼルシオスからすれば「うへぇ、誤字じゃねぇか……しゃあねぇけど」というげんなりした気持ちも少しばかりあった。


 数秒ばかりざわめくに任せた後、ゼルシオスが続ける。


「騒ぐのはそこまででいいだろう! ……続けて、5等分した小隊の発表だ。あと、小隊ごとにメンツを分けた分隊も発表する! では、第2中隊が第1小隊の名称は……」


 ゼルシオスは、以下の通り発表する。


---


 諜報・暗殺部隊を務める第1小隊、「人日じんじつ」。

 うち第1分隊、「立春りっしゅん(諜報・工作担当)」。

 第2分隊、「雨水うすい(諜報・工作&拷問担当)」。

 第3分隊、「啓蟄けいちつ(諜報・工作&暗殺担当その1)」。

 第4分隊、「春分しゅんぶん(諜報・工作&暗殺担当その2)」。


 強度強化型強化エンチャントを務める第2小隊、「上巳じょうし」。

 うち第1分隊、「清明せいめい(武器威力強化担当)」。

 第2分隊、「穀雨こくう(装甲防御力強化担当)」。

 第3分隊、「立夏りっか(装備耐久力強化担当)」。

 第4分隊、「小満しょうまん(機動力強化担当)」。

 第5分隊、「芒種ぼうしゅ(解析・反応強化担当)」。


 属性付与型強化エンチャントを務める第3小隊、「端午たんご」。

 うち第1分隊、「夏至げし(聖属性担当)」。

 第2分隊、「小暑しょうしょ(闇属性担当)」。

 第3分隊、「大暑たいしょ(四大元素他属性担当)」。

 第4分隊、「立秋りっしゅう(無属性威力強化担当)」。

 第5分隊、「処暑しょしょ(特効・特殊能力付与担当)」。


 各種回復を務める第4小隊、「七夕しちせき」。

 うち第1分隊、「白露はくろ(魔術的外科担当)」。

 第2分隊、「秋分しゅうぶん(魔術・道具的外科担当)」。

 第3分隊、「寒露かんろ(魔術的内科担当)」。

 第4分隊、「霜降そうこう(道具的内科担当)」。

 第5分隊、「立冬りっとう(回復知識教育担当)」。


 白兵・魔術混成陸戦部隊を務める第5小隊、「重陽ちょうよう」。

 うち第1分隊、「小雪しょうせつ(白兵担当その1)」。

 第2分隊、「大雪たいせつ(白兵担当その2)」。

 第3分隊、「冬至とうじ(近~中距離担当)」。

 第4分隊、「小寒しょうかん(魔術・遠距離担当その1)」。

 第5分隊、「大寒だいかん(魔術・遠距離担当その2)」。


---


 以上、計5小隊・24分隊が、発表されたのであった。


     ***


 それからはゼルシオスの司会により、小隊ごと、また分隊ごとでの歓談会や決起会を自発的に起こさせた。

 なお、小隊・分隊の隊長・副隊長は、指揮官適正を考慮してドミニア部隊が強制的に決定している。


 十分な時間が経過した後――


「よーし、全員解散! 後はここ以外で好きなようにやれや! 2次会とかどんちゃん騒ぎとかな! あ、ただし……第4小隊所属になったマリア・アップルトンだけは残るように」

「わ……私、ですか?」

「ああ。残れよ」


 しっかり念押ししたゼルシオス。

 マリア以外の全員がいなくなるのを待ってから、ゼルシオスが切り出した。




「お前に渡すものがある」


---


★解説

 どうも、リアルな病気(コロナではない、ただし発熱を伴う喉の病気)で3日間ほどぶっ倒れていた有原です!

 大変長らくお待たせいたしました。


 そういうわけで、ようやく黒抗兵軍第2中隊『清白すずしろ』部隊編成発表です!

 近況ノートではメモのために先行で公開していましたが、いやはや(自分で書いておきながら)長いわ、細かいわ……w


 何とか、ようやく1話書き進められました。

 次は渡すものを渡してから、個人的に「どう進めるよ?」と思っている戦闘へ……w

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