美しく麗しき竜・パルティス6(FFXX本隊& vs 響楽竜パルティス)
「何だ、いったい!?」
攻撃の手もそこそこに、パルティスが叫ぶ。
「俺も知らねぇぞあんなの! まぁ来るこたぁ知ってたけどな!」
ゼルシオスも、艦隊司令であるアドレーアとアドライアも、突如として現れた増援の正体を知らない。
だが。
「彼らが、噂に名高い
「楽しそー! いいねいいね!」
「……」
1機と2体は、パルティスが増援としてアテにしていた戦闘竜をやすやすと屠っていく。
閃銀の機体は、手にし、あるいは機械の翼に取り付けたハンドガン状の武装で戦闘竜を蜂の巣にし、高機動で翻弄する。
天翔ける一角の馬は、ある程度なら竜の耐久力ですら無視しうる
そして「ナ号」と銘打たれた竜は、粛々と戦闘竜をブレスで仕留める。
「ば……馬鹿、な……」
パルティスが愕然とする。
その隙を逃すゼルシオスではない。
「行くぜ、奥義! “
双激水――双剣による高速の連続突き。ゼルシオスはヴェルリート・グレーセアの機動力を活かし、全身を刺し貫く“
「しまっ――」
意識を完全に逸らしてしまったパルティスが気づく頃には、もう遅い。
全身という全身に突きを見舞われ、耐久力など関係なく大きなダメージの連撃を叩き込まれている。
「まさか、この美しき私が…………ッ!!」
そのままゼルシオスが、頭部にトドメの一撃を見舞おうとし――
「やめた。勝負付いたぜ、パルティス」
「え?」
ピタリと、攻撃を止める。
「テメェの歌は、ここで絶やしちゃいけねぇ気がするんだわ」
「そ……それは、私の歌を認めてくれるというのかい?」
「あぁ、そうだぜ。それに、テメェに歌を習いてぇってヤツがいるんだ。だったらなおのこと、テメェをここで殺すワケにゃあいかねぇ。ってことで」
ゼルシオスが、ヴェルリート・グレーセアの
「テメェ、俺らの仲間になりやがれ!」
「それは――」
今のパルティスは、黒竜王エッツェルの支配下にある。
即答で断ろうとし――しかし、彼の心に揺らぎが生じた。
(エッツェル様は、私を拾ってくれた。だが、私は――もっと歌いたい。もっと歌うには――本当に、人間を、人を殺す必要があるのだろうか?)
エッツェルの軍門に
(竜以外にも、私の歌を必要とする人間がいる。ならば、それに応えることこそが、美しい私には相応しいのではないか)
パルティスの体表が、銀色の光を放っている。真銀竜の加護が付与された攻撃を何度も浴びた結果、精神面にわずかな変化が生じていたのだ。
(私が本当にやりたいことは――ふふっ、吟遊詩人として生きてみるのも悪くない、な。私の歌がどこまで通用するか、試したい。それをするには……やはり、聴いてくれるのは、竜だけでなく
パルティスは考えを巡らせた末に、ゼルシオスに告げる。
「あいわかった! 私の歌を、君たちにお届けしよう!」
「そう来なくっちゃな! じゃあ、とっとと治療すっぞ! 乗れ!」
人間形態となったパルティスがヴェルリート・グレーセアの手の上に乗ったことで、戦闘は終了したのであった。
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★感想
6話もかけたぞ! 章ボスの巨大隕石ですら4話だったのに!
……というわけで無事に和解。ドミニアとドミニア搭載機には真銀竜の加護がかかっているが、拡大解釈して「多数被弾し、かつ生存している場合は真銀竜の加護の影響を受ける」としたもの。
最悪、深海の秘薬を使って洗脳まがいで改心させたかもしれないが、とりあえずこのまま載せる。
パルティス君、単独でも相当に強い。6話かけるし、(設定と有原による都合とはいえ)何十発と主砲を浴びてもなお倒れないし、もっと敵が多ければFFXXでも……という状態。
とはいえ、彼に帯同して来た
というかゼルシオス君との相性も悪すぎた。一対一なら完封してくるからね、彼……。
あと、パルティス君が仲間になったので、ネメシス嬢の音痴が徐々に治ると思われる。そういう目的もあって予約したのだから当然。
個人的に、同じ竜種だからウマも合いそう。
さてこの後は、合流してきた仲間たちを紹介しつつ、次の戦闘に移ろうと思っている。
いるのだが……代行者サイドに移ろうかな? ちょっと煮え切っていない。
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