美しく麗しき竜・パルティス2(FFXX本隊& vs 響楽竜パルティス)

「うわっ効いてねぇ! フレイア! ヒルデ!」

「もちろんだ! 燃やし尽くす!」

「跡形も残さないよ!」

「あ、あたしを忘れるなぁ!」


 フレイアとヒルデは元より、ネメシスまでも攻勢に参加する。

 灼熱を伴った業炎ごうえんのブレスが二条、そして超絶的な圧力を秘めた津波のブレスが一条。

 計三条もの、炎と水のブレスが、竜と化したパルティスを直撃する。


「はーっはっはっはぁ!! いいねぇ! 実にいい攻撃だ! 美しき同胞、そして美しき異界の竜よ、見事なり!」


 だが、全て致命の威力を秘めているブレスは、どれも致命打たりえない。


「効いていないぞ……!」

「私たちのブレスで燃え尽きないって、どういうこと!?」

「へ、へこみもしてない……! 超高水圧なのに!」


 動揺を見せる三竜だが、ゼルシオスは直感でパルティスの特性を見抜いていた。


「テメェ……戦艦並みの装甲だろ。ただし、だけじゃなく……が付いてそうだがな」

「はーっはっはっは! そこな黒騎士よ、よくぞ見抜いた! そう、これは我が特殊能力、“秀逸なる竜の審判”!! 君たちの攻撃の威力が強ければ強いほど、私の防御も美しく跳ね上がる!! ……とはいえ」


 パルティスは焼かれたウロコを、チラリと見る。


「仮にも竜種。私のウロコを焦げ付かせる程度には、威力は上がっているようだがね!」

「てめぇで上げたんだろうが! なんも聞こえねぇけど、なんか曲流してんだろ、えぇ!?」

「そこも見抜くとは……ならば君は、真っ先に仕留めなくてはな!」


 装甲すらも共振で破壊する、音波のブレス。

 強度を無視してくる破壊の吐息は、しかしゼルシオスが駆るヴェルリート・グレーセアには命中しない。


「当たるか! 艦隊各艦、データを送る! 指揮する竜を優先して仕留めろ!」


 音波は不可視、されどゼルシオスの直感は不可視の攻撃すらも軽々と回避する。視線や首の巡らせ方、呼吸の調子、そして予想被害範囲――ゼルシオスの元々の見切りと直感が合わされば、不意打ちを含めたあらゆる攻撃を回避しうる。


「やるね! 美しきボクの歌声を避けるとは!」

「ほざけ! テメェにゃ悲鳴の歌声がお似合いだ! フレイア! ネメシスを頼んだ!」


 ネメシスをフレイアの背中に乗せ、自身はパルティスの周囲を旋回しながら背面のビーム砲を連射する。

 戦艦の主砲準備が整うまでの下準備だが、このビーム砲ですらそれらと同等以上の威力を秘めている。

 “秀逸なる竜の審判”が無ければ、パルティスの装甲ですら危ういほどなのだ。


「意識は無理にそらさなくてもいい! ネメシスを逃がせ!」

「「了解!」」




 三竜がパルティスから距離を置きだしたタイミングで、ドミニア、ヴァーチア、カラドリウス、アトラス、ギガースのヴェルセア王国艦隊が、パルティスに照準を合わせ始めたのであった。


---


★解説

 あっという間に11月。

 パルティス戦、いろいろやりたいことがあるので、もうしばらく続きそうです。


 あと、別サイトでコンテストにも参加したいので……これは実に忙しくなりそうww

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る