面談会、終了後(ユニット:FFXX本隊)

「あー、終わったぜ」


 各冒険者……もといハンターの情報をまとめ終えたゼルシオスたちが、成果報告の交換会をし終えた後。

 ゼルシオスは、即行で自室にこもっていた。


「けど、まだ俺のやる事終わってねぇんだよな。つーワケで」


 ベッドに寝転がりながら、ゼルシオスはある存在に向けて呼ばわる。


「おい、リア! 用があるぜ!」

『はい、何でしょう』

「あぁん? やけに従順じゃねぇか? まぁいいや」


 呼びつけた女神リアの態度に違和感を覚えつつも、ゼルシオスは要件を伝える。


「俺のヴェルリート・グレーセアを、深棲竜ネメシスっつー奴がいる場所まで行けるようにしてくれや。どうも聞いた話、相当な深海にいるっぽくてな」

『承知しました』


 リアの言葉の直後、ゼルシオスの視界が一瞬だけフラッシュアウトする。


『これで大丈夫です』

「ホントか? 嘘は言ってなさそうだけどよ」

『うふふ。それではまた』


 リアの気配が、あっという間に去っていく。

 ゼルシオスは一瞬あっけに取られていたが、腕輪端末を起動する。


「まぁいいや。フレイアとヒルデを呼んで――ん?」


 と、ゼルシオスは……黄金きんの粒子を、目で捉えた。


「何だ、この光? リアと会った時にゃ、こんなもん無かったよな?」


     ***


 一方、はるか高空にて。


「これで良し。今は彼女に力を使わせるには、酷な状況であるからな」


 謎の機体が黄金きんの粒子を発しながら、ドミニアを見下ろしていた。




「その義侠心、見事なり。自由を愛しながらも義に生きるはかたく、ゆえに力を授けるにふさわしい。では、見守らせてもらおうか……」


---


★解説

 種明かし。

「リアのフリをした桜付き」が、ゼルシオス君の愛機“ヴェルリート・グレーセア”に加護を施した状態。


 メタ視点ではお心当たりがあるだろうが、「今のリアが力を使ったらまずいことになる」と判断したため、独断で桜付きが介入した。

 マジモンの神様を参戦させた、有原陣営ならではのインチキ。相も変わらず、私は「直接戦わせていないからいいでしょう」という理屈を張る。


 さて、そろそろ水中戦のお時間です。

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