夢……か(ユニット:FFXX本隊)

「夢、か。その話、詳しく聞かせてくれないか?」


 メルテの元を新たに訪れたのは、ゲルハルトだ。


「見た夢のこと?」

「ああ、そうだ。おれたちは、どんな夢を見た上で、そこまでの無茶をして来たのかを知りたい。そもそも君は、どこから来たんだ?」

「北の……氷壁」

「氷壁? クオルト氷壁か!? 反対側までわざわざ来たというのか!」


 驚愕に目を見開くゲルハルト。

 FFXXにおいて唯一ハンター登録を済ませている彼は、大まかではあるがこの世界の主要9エリアにおける地理をある程度把握している。

 今でこそ地理情報は共有されているが、暗記で素早く思い出せるのは現状、ゲルハルトの特権なのだ。


「うん……。あなたたちが、漆黒の軍勢を止められる唯一の存在だから」

「漆黒の軍勢?」

「そうだよ。私が見た夢だとね……」


 見た夢を語るメルテ。

 彼女の見る夢は、曖昧ではあるが未来を捉えた予知夢である。


     ***


 夢の内容を聞き終えたゼルシオスが、口を挟んだ。


「あー、俺らじゃねぇかそれ。間違いなくFFXXツヴァイエフ・イクスクロイツ名指ししてんじゃん」

「そうだよ」

「んで、細かな過程は?」

「そこまでは、ちょっと……」


 ゼルシオスが過程を尋ねるが、そこは曖昧さゆえに不明瞭だ。


「それでね。私を暗黒竜から守ってほしいの」

「暗黒竜……黒竜王エッツェル、か?」

「うん。あんな奴の仲間にされたくない」


 目をウルウルさせるメルテ。

 幼女の姿をしているために、庇護欲を抜群に煽ってくる。


 ……が、この頼みを断ろうとする面々は、今のFFXXにはいない。


「嘘ついてる気配は無さそうだしな。そもそも断っちまったら、何のための“フロインデ”なんだか」

「ああ。もともと竜種であれど受け入れるのがおれたちだ」

「同じ竜として、面倒は見る。生まれた世界は異なるがな」


 ゼルシオス、ゲルハルト、フレイアの三人が肯定する。

 この場における最高決定権者たちだ、誰も異を唱えない。


「ありがとう。……それでね、一つだけ気を付けてほしいことがあるの」

「何だ?」


 メルテはたっぷりと間をおいてから、話す。




「わたし、とっても寝相が悪いから気を付けてね。わたしも人間の姿で寝るようにするけど……できれば、部屋全体にクッションやマットがあるといいかも」


---


★解説


 ゲルハルトサイド。

 まだ“黒抗兵軍”受領が残っていますが、それには作中であと20時間ほど経過させる必要があるというもの。


 ただし、正直この20時間を経過させるにおいてはそこまでの問題ではありません。

 なので、視点サイドを移すこととします。


 メルテはクオルト氷壁から来ましたが、はクオルト氷壁に向かっている真っ只中。

 つまり……氷壁突破回です!


 まぁ、最初にスミト姉さんと話をしておく必要はありますが。

 あと、いい加減世界への脅威が増えてきたので、それらの鎮圧・無力化も必要かもしれませんね。

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