ひゃっほう! 水着美女がたくさんいるじゃねぇか!4(ユニット:FFXX本隊)

 ゼルシオスに向けてリラが話しかけている頃。


「ゲールーハールートー!」

「うわっ!」


 ゲルハルトは想い人にして妻たるパトリツィアに、がっしりと抱きつかれていた。


「ここは海だ! 溺れるぞ!」

「えー」


 強く止められたことにより、しぶしぶ抱きつくのをやめるパトリツィア。

 と、視野が広い彼女は、ゲルハルトのそばにいつつも興味深げにある人物を見つめる。


「あの子……可愛いかも」

「んあ? ドミニア……いや、ヴァーチアに乗っていたな。確か王女であり艦長でもある、アドライアと聞いたが」

「あら? 私をお呼びでしょうか?」


 視線に気づいたのか、アドライアがやってくる。彼女に帯同するように、シルフィアも一緒だ。


「か」


 突如として、パトリツィアが呟く。


「「か?」」


 ゲルハルト、シルフィア、そしてアドライアも――意味が分からないといった様子で、揃って疑問の言葉を口にする。

 その、次の瞬間。


「可愛いいいいいっ!」

「ちょっ!?」


 なんといきなり、パトリツィアはアドライアを抱きしめたのである。


「とっても可愛い、お人形さんみたい! 可愛い可愛い可愛い!」

「ちょっ、やめ……」


 アドライアが振りほどこうにも、パトリツィアは華奢きゃしゃな見た目に反して相当な腕力を誇っている。振りほどくのは至難の業であった。


「おい、やめろ!」


 ゲルハルトが腕ずくで止めて、ようやく引っ込む。


「んもー、もっと堪能してたかったのにー」

「だからっていきなり抱きつくやつがあるか!」

「ホント、何なんですの……」

「俺もこいつの性格と行動をコントロールしきれないんだ。済まなかった。……おい」


 ゲルハルトが睨みつけると、パトリツィアがバツの悪そうな顔をする。


「うぅ……ごめんね?」

「もう……びっくりしたじゃありませんの。ま、まぁ、『可愛い』と言ってくれたことには感謝申し上げますわ」


「えっへん!」と言わんばかりに、アドライアが乏しい胸を張る。


「改めて、私がアドライア……ヴェルセア王国第5王女、アドライア・ルフテ・ヴェルセアですわ。こちらは話し相手としてついてくださるシルフィア大尉」

「シルフィア・マイシュベルガーです。ゼル君……ゼルシオス・アルヴァリアが、お世話になったとか」

「むしろ逆だ。おれが世話になったな。ああ、おれの名はゲルハルト・ゴットゼーゲン。ベルグリーズ王国から来た。先ほど迷惑をかけたパトリツィア・アズレイア共々よろしく頼む」


 折り目正しい所作で、しっかりと頭を下げるゲルハルト。

 と、アドライアが尋ねてきた。


「ところで、その……ゼルシオスの振る舞いは、ベルグリーズ王国の皆様にはどうお映りに?」

「それは私も気になります。個人的に、ゼル君とは幼馴染ですから」


 正直な感想を求めてくる、アドライアとシルフィア。

 ゲルハルトは遠慮せず、求める通りの感想を述べた。


「いい男だな。自由気ままが過ぎるのは気になるが……おれには無いものを、彼は持っている。友誼ゆうぎを結ぶにはふさわしい」

「おー? 男の友情もアツいよねぇ、ゲルハルトー?」

「まあな」


 茶々を入れてくるパトリツィアを軽くあしらうゲルハルト。


「……ん?」


 と、異音が聞こえたのを察知する。


「竜、だと? だが、赫竜エクスフランメ・ドラッヒェと比べれば、やけに小型だ」

「敵意は無さそうだけどなー」


 異音の正体は、すぐに察知できた。

 乳白色の体表をした小型の竜が、ゲルハルトたちにむかって飛行している。


 と、次の瞬間に異変が起きる。


「……なっ! 落ちるぞ!」




 小型の竜は力尽きたように、高度を落としだしたのであった。


---


★解説

 異作品交流エピソードその2。


 パトリツィア、ゼルシオス君並みに自由人だと今さら気づかされた。ゲルハルト第一なのでそれの影響でちょっと違って見えたけど、よくよく考えると本質同じじゃねぇか!


 とりあえず、次話でキッチリ動きを出せそうです。

 ああ、そういえばボス・逸脱者が1ユニット時間切れになっていたので、近々その処理でもしますかね。

 なお自作とはいえ、仮にもボス・逸脱者なので戦績に加えます。

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