少しぶりの再会と、気ままな道のり(ユニット:FFXX本隊&増援第1陣)

 飛来してきた未知の隕石を、ひとかけらも残さず完全に破砕したFFXXツヴァイエフ・イクスクロイツ――そして現地の竜種や空獣ルフトティーアたち。

 この世界における最大級の危機が去ったことを見届けると、彼ら彼女らはめいめいに解散した。


 FFXXも、そして転移してきた増援もまた、それぞれが望む通りに行動する。


 まずは、戦艦ヴァーチア。

 ドミニアの姉妹艦であり、ヴェルセア王国第5王女であるアドライア・ルフテ・ヴェルセアが座乗する特大型の軍艦だ。それがドミニアへ寄り添うようにして、針路と速度を合わせる。


『お姉さま! 無事でよかったですわあぁ~~~!』

「あらあら、アドライア。心配をかけましたね」

「ガラにもなく大号泣じゃねぇか」


 しれっとヴェルリート・グレーセアから通信に割り込んでいるゼルシオスを見て、アドライアが血相を変える。


『姉妹のひと時に割り込まないでくださいまし!』

「へいへい。少しぶりに、そのツラぁ見たくなったんだよ」

『なっ……』


 突然のゼルシオスの言葉に、絶句するアドライア。


「まっ、その調子じゃあ元気そうだな。そんじゃ、今度こそ姉妹水入らずでよろしくやってろよ」


 それだけ言うと、アドライアが何か言いかけたのを無視してプツリと通信を切ったのである。


     ***


 次に、オラケル。

 ゲルハルトの師匠たるリラが操縦するロボット――魔導騎士ベルムバンツェと言う――はドーム、あるいは外套がいとう状の巨大な追加装甲を装備しており、黒と銀という落ち着いた色合いに反して強く存在を主張していた。


「ゲルハルト。無事で何よりです」

「リラ、来ていたのか。……勝手にここへ向かったことは申し訳ないが、頼まれてな」

「サリールさんから事情は伺っています。今からは、私も戦力となりましょう」

「ああ。頼むぞ」


 近くで静かに見守るサリールをよそに、二人は師弟としての会話を楽しんだ。


     ***


 そして、戦艦ゲルゼリア改だが――


「進むべき道筋は示されています。信じましょう、『希望』を」

「俺には見えないからな、羨ましいぜ……ん?」

「どうしましたか、ゼルゲイド様?」

「気のせいか? 今、また黄金きんの光が見えたんだが……」

「もしかしたら、それもまた導きかもしれません」


 ヴェルセア王国ともベルグリーズ王国とも交流を持たず、一直線に北へ向かう。


 ……しくもそれは、神錘の代行者たち一行と同じ方向であった。


「これも導きか? あのような戦艦と同道せよ、とは」

「みー。すっごい、大きい」

「乗ってみたーい!」

「いずれ時が過ぎれば、その機会も巡ってくるでしょう」

「異世界から訪れたといえども、彼らも人間。私の守るべき対象であることに、変わりはありません」

「……然り。では、我らもまた、導きに従って向かうとしよう」




 かくして、FFXXツヴァイエフ・イクスクロイツに属するそれぞれの勢力は、思い思いに進む道を決めたのであった。


---


★解説

 息抜き。「隕石撃墜後はこんな感じだよ」という解説程度の息抜き話。

「この陣営のシーンを深掘りしてほしい!」という要望があれば応援コメントをお書きくださいませ。


 ……次も同じく(作者にとっての)息抜き話ですが、少し趣向を変えます。

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