襲来、巨大隕石!2(FFXX本隊& vs 殲滅隕石 a.k.a. タライマワシ彗星)

「はぁあああ……!」


 ゲルハルト、そしてパトリツィアは、自身を見守っているAsrielアスリールから力の供給を受ける。

 それをアズリオンに集中させ、機体自体を巨大な発射機ランチャーとしているのだ。


「あとどのくらいだ!」

「30秒あれば!」

はえぇな! けど、あっちも相当にクソ速いぜ! チャンスは一発っきりってとこだな!」


 隕石の落下速度は、わずか1秒で数十kmキロに達する。

 500mはある、かの隕石でさえも肉眼では見えないほどに遠い――そのはずだった。


 しかし、距離は近いが、落下速度も遅くなっている。

 ゼルシオスたちには見えないが、隕石の表面には黄金きんの粒子があった。


 それでも相当な速度を誇るため、なるべく早くに撃墜せねばリアの世界が大被害を被るのは目に見えているが。


 やがて隕石が迫り、同時にチャージが終わらんとしていた。


「もう撃てるぞ、ゼル!」

「良し撃て! あんなもん砕いちまえ!」


 ゼルシオスが照準として、ヴェルリート・グレーセアの両肩に載せた砲を連射する。狙いたがわず、しかし距離が遠いゆえ威力には不足があった。

 だが、撃つべき位置を示すのにはこれで十分だ。


「行くぞ! 一撃で撃ち抜く!」

「やっちゃえ、ゲルハルト!」


 気合十分、そのままゲルハルトはアズリオンに思念を送り、最大出力でビーム砲を発射する。

 オルクスを葬った一撃よりもはるかにエネルギーが充填されており、隕石にさえもダメージを与えうるものであった。


「……!?」


 しかし、ゲルハルトの瞳が驚愕に染まる。

 最大出力で放った一撃は間違いなく有効であり、だが隕石を完全に砕くには至らなかったのだ。


 実はこの隕石は特有の魔力を帯びており、これがある程度ゲルハルトの攻撃に耐性を有していた。

 ゆえに全力全開の一撃ですらも完全に砕くことはならず、さらにはすれ違うまでの時間の短さも問題であった。


「くっ、あのままでは落ちるぞ!」

「しかもはえぇ! 俺たちの機体じゃ――」


 マッハ10を上回るヴェルリート・グレーセアでも、隕石の速度には及ばない。通常の隕石より減速しているとはいえ、それでも元々の速度が異次元ゆえに対応の限度を超えていたのだ。


『射線上の味方機! 今すぐ退避を!』


 と、ゼルシオスとゲルハルトに、同時に通信が飛んでくる。


「誰だ!?」

「んなもん後だ、隕石から離れろ! すぐ来るぞ!」


 通信の意図を察したゼルシオスが、隕石から距離を取る――それも方角的に離れるように。ゲルハルトも見習い、ヴェルリート・グレーセアの反対方向に距離を取った。




 その直後――アズリオンのビームを上回る全幅と威力のビーム砲が、隕石を撃ち貫いたのであった。


---


★解説

 さて、が来ましたよぉ!

「本編後」という設定なので、本編のそれより威力マシマシです!w

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