なんかあの二人を思い出すんだが(ユニット:ゼルシオス)
数分と経たないうちに、四人はティトットの研究所へ到着する。
「着いたわよ!♪ それじゃあ、入ってすぐの部屋にくつろいで待っててね♪」
促されたゼルシオスとフレイア、ヒルデは、応接室らしき場所で座って待つ。
「ふぃー、疲れた。しかし、ありゃあ色気たっぷりだったな」
「ああいう女性が好みなのか?」
「……ご主人様、私もいますからね」
ゼルシオスが軽口を叩くと、興味を持つフレイアに嫉妬するヒルデという別々の反応が起こった。
「うーん、男に興味無さげなのはちょっとな。つーかヒルデ、あんま不安ならもっと俺を独占するつもりで来やがれ。ま、そう簡単に独占されてやんねぇけどな」
一度で二人にまとめて返すゼルシオス。
……と、しばらくしたら、ノックの音が響いた。
「失礼しまーす……」
「おん? 声が違うな?」
ゼルシオスが違和感を抱いた直後。
部屋に入ってきたのは、ティトット……と同じ白衣姿をした、茶髪をボブカットにした女性だった。
トレイに紅茶入りのカップを3つ並べている。
「あんた、ティトットの助手か?」
明らかに
紅茶を給仕した後、女性が名乗った。
「……はい。私はアメリア・ノルトハイム。先生……ティトット姉さんの助手です」
「姉さん、ねぇ。どっからどー見ても、血が繋がってるようには見えねぇんだが」
「そうです。私が勝手に言ってるだけで、でも姉さんは嬉しそうにするので……」
恐る恐るといった様子で話すアメリア。
(……ふぅん。なんか隠してんな、こいつ)
そんな彼女を見て、ゼルシオスは敢えて
得意の、フリをするためだけの下卑た笑みをニタァと浮かべてから、呟いた。
「……あの女。かなりイイ感じじゃねぇか? ダイナミックな体付きしてっしなぁ」
「貴方なんかに、姉さんには手出しさせません!」
途端に、アメリアが
フレイアとヒルデはわずかながら驚く……が、ゼルシオスはまるで動じていない。
「それが隠してるもんの正体かよ。ティトットの話になっと血相が変わりやがるのな」
「話しかけないでください!」
「おいおい、ちょっと試したらこうなっちまうのかよ。安心しろ、お
同意を求めるゼルシオスだが、自身が供としている
「……お前は趣味が悪いぞ」
「……ご主人様、たまには誰か女性の方にお灸を据えていただく必要がありますね」
「二人して
嘆息するゼルシオスだが、内心では別のことを思い浮かべていた。
(なんか、あの二人を思い出すんだが。アドレーアとライラ……いや、この様子だと、アドレーアとアドライアが近いか?)
彼は今や遠くに離れている、自身がいちおうは仕えている姫の
***
ゼルシオスたちから離れた場所で。
一匹の、眠りについている乳白色の竜が寝言を呟いていた。
「……むにゃむにゃ。お空に、二つのお星さま」
夢を見ているにもかかわらず、彼女の眠りは深く、そう簡単に起きる気配は無い。
「……おっきなお星さまが、一つ、落ちてくる。でも、大丈夫……。空飛ぶお船が、お星さまを止めるから…………」
彼女の寝言は、氷壁に吸い込まれて消えた。
***
眠っている竜とはさらに別の場所に、漆黒の機体が一機。……しかし、その姿を見る者は誰もいない。
「空に
「かの“災厄”においては、軍勢は大きければ大きいほど望ましいからな。もっとも、いずれにせよ……その時は、私も力を貸すが」
漆黒の機体から生み出された
---
★解説
……そのための桜付き。まだまだリア様の世界が楽しいことになるでしょう。
あと、アメリアさんは勝手に追加させていただいたティトットの助手。いちおう前回の解説でフラグ立てたけど、大丈夫だよね、設定付け足すの?w
ついでに、最後に出した竜はエリア5-3ボスの「睡夢竜メルテ」。リンクはコチラ。
https://kakuyomu.jp/works/16817139558351554100/episodes/16817139559150654908
作成者権限で、一部のボス竜種をチョイ役で出演させる。あと2体は確定で出す。先に明かしておくと、シュライティアとグリムガルテ。もっとも、そんなに遠いエピソードじゃあないけど。
そういうわけで、時系列的な若干の制限を出させていただくことになる。もう少し具体的に書けば、「“ある敵ユニットの撃墜”までは、どの主人公ユニットとも戦闘していない」という感じ。
……とりあえず、最後に一言だけ。
更新、しばしお待たせしました。
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