彼は、我らが友なり2(神錘の代行者& vs ロイヤ・ホープフルロード)
「はぁっ!」
SGエネルギーによる転移――はせず、代行者は正面からロイヤに激突する。
ロイヤは斬撃をさばきながら、解析を終えていた。
「強い。私では貴方を殺せない。貴方の力量自体も高く、加えて解析不能な何者かの加護があると見た。そのうえ、敢えて普段使いでない腕の刃で攻撃しているのは、慈悲ゆえか、あるいは……」
「汝は死ぬべき時に非ず。その
「それは、不可能です」
「ならばお互いに戦って朽ちるか? 我はそれも望まぬが」
激しく切り結ぶ二人であるが、状況は既にして膠着状態に陥っていた。
代行者はロイヤにある
「無益なるかな、魂持つ機械よ。今ならまだ間に合う、刃を収めよ」
代行者の言葉には、珍しく意思がこもっていた。
そしてロイヤも、自身のプログラムに触れないギリギリの手段で、和解する方法を模索していた。
「どうしてもというのであれば……人外を、私の知覚の及ばぬ場所へ。そうしていただければ、私も追うことはありません」
代行者の意思を受けたロイヤは、せめてもの返礼として“逃げ道”を用意した。彼は人外を排除するが、しかし知覚の及ばない場所にいるか、あるいはそこまで逃げられたらもう追わない。
(ならば、従うか――)
一瞬ロイヤの言葉に従おうとした代行者の瞳に、
「……それを、望まれないというのですね」
代行者は、自らの主の意思を確かめた。
「どうされましたか?」
「汝から逃れるは、我が主の意思に非ず。汝を連れよ、とのことだ」
「であれば、やはりあの
「……堂々巡りだな」
ロイヤを倒すことなく、しかしロイヤの脅威を無力化する。
代行者にとっては、今までにない難しさを秘める事態となった。
***
「みー……私じゃ、太刀打ちできないかも」
そんな二人の激闘を、ミミミはヴィグバルトと共に見ていた。
「うかつに近づくな。何かあったら、私が守る」
「みー……あれ?」
ミミミの視線の先にあるのは、ヴィグバルトが尻尾で掴んでいるカティンカだ。
「なんか、光ってる」
「む? 本当だな。私と戦ったときよりも、まばゆい輝きだ」
元々輝きを放っていたカティンカであるが、その強さは一段と増していた。
「これは……目を閉じておくのが良さそうだな」
「そうだね…………ッ! 目をつぶってー!」
ミミミが叫ぶと同時に、カティンカから閃光が放たれた。
***
「むっ!」
「これは……!」
戦っていた二人はどちらからともなく距離を取り、自らの目を覆う。
肉体は人間のそれである代行者は強烈な光に耐えられず、アンドロイドであるロイヤもまたセンサーを焼かれては得られる情報が激減するためにやはり目元をかばった。
閃光は強く、しばらく収まりがつかなかった。
数十秒と経って、ようやく目を開けられる状態になると――
「けんかは、メッ!」
代行者とロイヤの間に、金髪に純白のドレスを着た少女が立っていた。
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