混浴(ユニット:ゼルシオス、ゲルハルト他)
「うぃーっす、一番乗りー」
あの後、ゼルシオスはシュレーディンガーやヒルデを連れて、混浴に入ることになった。
服を脱いだ後は一番に体を洗い、そして一番に湯船に浸かったのである。
猫の特徴を持つシュレーディンガーは、意外なことに難なく入浴をした。猫よりも人の人格が優位であるがゆえであろう。
そしてその後に、ヒルデも浸かる。
なお、ここに来るまでの間に、ゼルシオスはアドレーアとフレイア、ヒルデ
「ここなら落ち着けるな。ま、俺が手ェ出さないようにヒルデも連れてるし、距離は開けとくから安心しな」
ゼルシオスにシュレーディンガーをどうこうする意思は無い。無いが、あまり近づきすぎるとまともに話してくれなくなりそうな予感がしたため、ゼルシオスは自主的に離れていたのである。
「ひゃっほー!」
と、思わぬ乱入者が来る。
「パトリツィア! ってこたぁ……」
「
「ゲルハルトじゃねぇか。風呂入りたくなったのか?」
「ああ。だが、どうしても彼女が『混浴がいい』って言って聞かなくてな……」
ゼルシオスにとって知るよしは無いが、相も変わらずゲルハルトはパトリツィアに振り回されていた。
「そーゆーわけでー、おっじゃましまーす」
「世話になる。そうだ、
「もう一人だぁ?」
ゼルシオスの反応から少しして、ガラガラと扉が開く。
「お邪魔します。艦長として、皆様との親睦を深めたくまいりました」
「アドレーア!」
艦長にしてヴェルセア王国第4王女が、水着を着た状態とはいえ一人で堂々と入浴しに来たのである。それも混浴場に、だ。
「おいおい、ドミニアの管理運営はいいのかよ。ま、ライラに任せてんだろうけど」
「ご明察です。私たちの元にいらしてくださった客人の方々を歓待せねば、と思いまして」
「
「少し艦内を散歩したいそうですので、供の者を一人つけてあります。心配はありません」
手抜かりが無いのがアドレーアである。
彼女は男女で分かれているのも無視して、ゼルシオスの右隣に入ってきた。
「あー、ずるいー! じゃあボクもー!」
「私もご主人様の隣がいいです!」
せっかく男女綺麗に分かれていたのが台無しである。
「さて、事務的な話はここまでにしましょう。まずは自己紹介をして打ち解けるのは、いかがでしょう?」
「だとさ、ネコミミ。お前の情報は後で聞くことになるぜ」
「構わないにゃ。聞いてくれる人は、多ければ多いほどいいにゃ」
カップリングの都合でポツンと置いていかれたことになったシュレーディンガーは、しかしまったく気にした様子無く返事をしたのであった。
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★解説
箸休めのつもりが、中の人の書くハードルをぶち上げにぶち上げてしまったという結果に。
次話こそきちんと、シュレーディンガーを仲間にしたことを有効活用します。
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