真銀竜の少女(ユニット:ゲルハルト&ゼルシオス)
「私の名前はエヴレナ! またの名を“
少女は自らを、エヴレナと名乗る。
ゲルハルトとパトリツィアは
「“仲間”か。それは私たちのことかな? 私と同格か、あるいは私すらも上回る竜のお嬢さん」
代表して尋ねたのは、フレイアである。
「そうよ。ただ……これは私の好奇心」
「好奇心ねぇ。俺と似た感じがするぜ」
ゼルシオスは、エヴレナの性格に自身と似たものを感じる。「自由」を愛し「自由」を求める彼は、エヴレナの発した「好奇心」という言葉にシンパシーを覚えたのであった。
と、ゼルシオスが揺さぶりをかける。
「もうちょっと、理由がありそうだなぁ? 嬢ちゃん」
「そうね」
あっさりと見抜かれたエヴレナは、話の続きを始める。
「この世界に来て
「金色の光る粒子……俺も見たな。ゲルハルト、アンタはどうだ?」
「
この場にいる者たちの何人かが、
しかし、エヴレナの言葉は終わらない。
「それと、声が聞こえたの」
「声ー?」
パトリツィアが尋ねると、エヴレナは「うん」と頷いてから話す。
「『汝、私が導きし者たちへの助力をなしてほしい』って」
それを聞いてハッとしたのが、ゲルハルトとパトリツィアだ。
「……何か、神に導かれているような気配がするな。
「それ、ボクも思った。
日常的に神と絡みがある二人は、それゆえに一度聞いただけで見抜いたのである。
「それにしても、助力ねぇ……。俺にはさっぱり見当が付かねぇぜ。フレイア、ヒルデ、心当たりあるか?」
「いや、私にも無いな」
「私もです、ご主人様」
同じ竜であるフレイアとヒルデも、何を以て助力とするかの見当を付けかねていた。
と、エヴレナが何か遠くを見つめる。
「ところで、あれは貴方たちの仲間かしら?」
「仲間ぁ? ……って、ありゃあ仲間も仲間じゃねぇか!」
言われてゼルシオスが見つめたものは、白を
「ゼルシオス……いや、ゼル。知ってるのか?」
「ったりめーだ、俺らが乗ってる
言いながらゼルシオスが、フレイアとヒルデを見つめる。
「お前に死なれてはかなわんからな」
「アドレーア姫が探していましたからね。教えちゃいました」
「案の定かよ。まぁ、いいや。ちょうど
話を振られたゲルハルトが答える。
「
「ボクもー。あとー、エヴレナちゃんも来るー?」
「ええ。そろそろ辺りをぶらぶらするのも飽きたから、ちょっと休ませてほしいわね」
しれっとパトリツィアが振ったエヴレナも、同行するようだ。
「決まりだ。ヒルデ、俺を乗せな。フレイアは嬢ちゃんを」
「はぁい」
「承知。おぶさるがいい」
ヒルデとフレイアが、ゼルシオスとエヴレナをおんぶの要領で背負ってから竜の姿に戻る。
彼女たち
「ならば
「はぁ~い♪」
ゲルハルトとパトリツィアもまた、アズリオンを召喚、搭乗する。
「準備は出来た。ゼル、案内は頼む」
「あいよ。そんじゃ――」
「あ、ちょっとだけ待って」
「何だよ?」
ふと、エヴレナがゼルシオスたちを制止する。
「おまじない、かけてあげる。貴方たちなら、あの“災厄”にも対抗できそうだから」
そう言った次の瞬間、エヴレナの周囲に銀の光が巻き起こる。
それはゲルハルトにパトリツィア、そしてゼルシオスとフレイア、ヒルデ
「おまじない、ねぇ。特に
「それはいずれ分かるわ。さ、行きましょっか」
「だな」
かくしてゲルハルトとパトリツィア、ゼルシオスとフレイア、ヒルデ、そしてエヴレナの6名は、戦艦ドミニアへ向かうこととなったのであった。
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★解説
そういうわけで、エヴレナ様を責任を持ってお預かりします。
なお、本エピソードにて、ゲルハルト・パトリツィア・ゼルシオス・フレイア・ヒルデの5名に竜特効が付与されました。
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