幕間 その二

登場人物紹介(気狐と……)



☆「よう、読者のみんな。

 絶賛大活躍中の気狐だぜ!

 師匠からバトンタッチされたんで、登場人物紹介後半……」


「いってみよー!」

 

「橋姫、これはオレの仕事だっつーの!」


※本項は登場人物の紹介です。

 若干のネタバレを含む場合がありますのでご了承下さい。


 本項の情報は、作中の一九一九年七月時点のものです。



◆ 主な登場人物 ◆



◇ 宮森みやもり 遼一りょういち ◇


 魔術結社九頭竜会くずりゅうかいの新米会員。

 伝承学者を目指していたが、恩師の罠にまり九頭竜会に入会してしまう。


 宗教儀式や古代文明に造詣ぞうけいが深く、好きな煙草の銘柄はゴールデンハット。


 比星ひぼし 兄弟と共に、邪神崇拝者達の計画を頓挫とんざさせるべく奮闘ふんとうする。


 持衰じさいと呼ばれる特殊な霊的特質の持ち主で、宮森 自身にも特別な何かがあるようだ。


 御霊分みたまわけの術法で人格を切り替える事が可能で、切り替えた時は『うら 宮森』などと呼称される。


☆「瑠璃家宮るりやのみやの力を借りてたとはいえ、天芭 隊長に重傷を負わせた恐るべき男だぜ。

 もう死んでるって話だけど、次の節でなんかありそうだな……」


「うーん、〈ミ゠ゴ〉といっしょになったからしなないのかなー?」


「オレは戦闘専門だから詳しくは知んねーけど、その可能性はあると思うぜ。

 武悪のおっさん、間に合うといいけど……」



◇ 瑠璃家宮るりやのみや 玖須人くすひと 親王しんのう ◇


 神日本帝国皇太子で、後の神日本帝国太帝たいてい

 全世界に破壊と殺戮をもたらす事で邪神の復活を画策し、綾との間に邪神復活の鍵となる子を儲けようとしている。


 自身にも凶大な邪神の一柱ひとはしらを定着させ、九頭竜会では瑠璃家宮 派(海軍派)を率いる。


 神力しんりきを開放すれば、全魔術師中最強クラスの実力らしい。

 ただ余りにも高い邪霊定着率により、肉体が急速に石化してしまう弱点も。


〈ショゴス〉との融合に成功しており、極短時間であれば肉体を異形化させる事が可能。


☆「身体の右半分だけ触手って、どんな趣味してんだよコイツ。

 これでこの国の皇太子ってんだからな」


「にょろにょろこうたいしー。

 ねえキコー、こうたいしってなーにー?」


「ぷりんせすの男版のこった」


「えー、ぷりんせすはおんなのこしかなれないよー?」


「もういい……」



◇ 相田あいだ あや ◇


 邪霊定着儀式の末、邪神〈イダ゠ヤー〉を定着させられた少女。


 比星 兄弟の策略で宮森 由来の授精卵を着床させられており、もうじき出産を迎える。


異魚にんぎょ〉形態に変容すると、毒鰭どくひれや音波での攻撃が可能。

 又、〈異魚にんぎょ〉形態で〈イダ゠ヤー〉の歌を歌うと、〈ショゴス〉と肉人にくじんの粉末を服用した人間のほとんどを、強制的に〈深き者共ディープワンズ〉へと変容させる事が出来る。


☆「邪神の肉体を生成できる子をはらむなんて、正直スゲー事やってるよな、コイツ」


「にんぷさんだね。

 ハシヒメもいつかにんぷさんになるのー♪」


「その頃には橋姫はデカくなり過ぎて、誰もお婿さんになってくれねーよ!」


「そのときはキコがおむこさんになってー」


「え……」



◇ てい ◇


 異形化した綾が後に産み落とす事になる女児。


 邪神の肉体を物質界に再現する、という目的の為に誕生させられた。

 綾の胎内でまだ授精卵だった時に邪霊が定着させられる。


 邪神の復活を阻止したい比星 兄弟の策で、遺伝学的には宮森が父親となった。


 綾と同じく、邪念の浸透した水中では身体の異形化が可能。

 危機におちいった際には障壁バリアを発動するなど、自身と母体を守ろうとする。


☆「あかちゃんかわいーなー」


「可愛いっつってもバケモンだぞ。

 生まれる前から障壁術やら念動術やら使ってやがるし」


「ハシヒメしょうへきじゅつにがてー。

 でもごうしんほうはとくいだよー(気狐に向かって突進)!」


「ちょっ⁈

 何だよ(突進を掌底で軽く弾こうとする)」


「(気狐の掌底を食らっても強引にキャッチして)なんばーーーーわーーん♪」


「橋姫。

 オレに向かってスーパーアーマー突進するのやめろ……」



◇ 宗像むなかた 藤白とうはく ◇


 九頭竜会所属の魔術師で、本邦では在野の博物学者として名が知られている。

 粘菌(変形菌)に関しては世界的な研究者。


 宮森 達と行動を共にするうち、所属する大昇帝 派を裏切る破目になる。

 熊野での事件解決後は瑠璃家宮に忠誠を誓い、妻子と共に瑠璃家宮 派の庇護下ひごかに入る事となった。


 戦闘魔術師としての能力は高くないが、持ち前の知識と発想力を駆使して宮森 達をサポートする。


 かなりの大酒呑みで屡々しばしば宮森 達を困らせるが、確かな知識とおバカなノリで場を切り抜けるムードメーカー。


☆「大昇帝派を裏切った大罪人たいざいにんだが、研究者としては一流らしい。

 武悪のおっさんも尊敬してるみてーだしよ。

 それにしても、板にゲロぶっかけて粘菌の研究するってどうなのよ……」


「キコもおさけのんだときげろげろするー」


「オレ酒だけは全く呑めねーんだよなー。

 このおっさんがうらやましいぜ」


※この項目での気狐と橋姫のやり取りは軽いジョークです。

 未成年者の飲酒を推奨するものではありません。



◇ 武藤むとう 大志だいし ◇


 瑠璃家宮 派に所属する魔術師であり医師。

 専門は整形外科。

 透視術イントロスコピーを使用しての外科手術で、帝室ていしつ御用達ごようたしの魔術医という地位を築いた。


 常識外れではないが、医療従事者としての倫理観は皆無。

 外科医としての腕だけでなく、カネ儲けの手腕にも長けているようだ。


☆「コイツか、整形手術で要人達の影武者つくってるって奴は」


「キコー、かげむしゃってなーにー?」


「人間のニセもんつーか、ものまねしてる奴の事だよ」


「ものまね?

 じゃあキコがかくれてやってることものまねするー」


「あん?」


「(剣で何度か斬るような仕草をして)おれのいかりはばくはつ……」


「(酷く慌てた様子で)やめろって!」



◇ 比星ひぼし 明日二郎あすじろう ◇


 宮司(今日一郎)が異界から呼び込んだ異形の弟。


 宮森の頭の中に居候いそうろうしていたが、大事な時に行方をくらます。

 その際は明日二郎自身の記憶も無いらしい。


 楽筝がくそうの演奏や精神感応テレパシーの中継などもこなし結構多才。

 兄の今日一郎を尊敬しており誇り高い性格。

 食に関しては並々ならぬこだわりを見せる。

 幻夢界では数々の浮名うきなを流して来たらしいが……。


☆「うーん、物質界に実体を持たねーってのはちょと信じらんねー。

 橋姫はどう思う?」


「あおいかおのおとこのこのー、なんだっけ?」


「何だっけ、って何だよ」


「ゆめにねー、でてくるかいぶつだとおもうー」


「うそ⁈

 それマジかよ……」



◇ 寅井とらい ふじ ◇


 帝都劇場付属技芸学校を卒業したての若い女優。

 劇場売店の売り子をしながら女優を目指していた。


 一九一九年七月時点では、帝都劇場の看板女優を務めるまでに成長している。


 ひょんな事から知り合った宮森に好意を抱いているようだが……。



☆「じょゆうさんいいなー。

 ハシヒメもきれいなおようふくきたり、うたったりおどったりしたい~」


「やめとけやめとけ。

 お前が歌ったり踊ったりすると舞台が壊れちまうぜ」


「(怒りの籠った眼で気狐を睨みながら)きら~~~~~~~~~~い!」


「(橋姫の放った伊舎那天・衝撃法を必死で避けて)こ、殺す気か~~~~~~~!」





☆「登場人物紹介ってこんなに疲れるのか……。

 何回か殺されかけた気もするし……。

 後で師匠にコツ教えてもらお……」


「キコげんきないねー。

 ハシヒメがげんきにしてあげるー。

 だーーー!(ラリアットで突進)」


「ちょっ、あぶね⁈(ラリアットを防御)」


「(防御していた気狐を無理矢理キャッチして)なんばーーーーわーーん♪」


「じゃあ、これから第八章後半部分のスタートだぜ。

 それから橋姫、投げハメは止めてくれ……」



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