第5話
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『足、開けよ』
「んっ!っはぁ…庵…司っ!!」
『動いて。ほら…自分で良いとこ、当てて』
気づいたら、ソファーに座る庵司に跨っていた。
怪我をしてると理由づけて、俺に腰を振れと命じてくる。
咥え煙草をふかしながら、俺の腰に添えた両手がヤワヤワとケツに向かって血をなすり付ける。
ケツを覆った手の平はいやらしくソコを揉みしだいた。
「ぅゔっ!…くぅっ…はぁ…もうっ…ダメッ!出るっ!」
『ダメだ…勝手にイッてんじゃねぇよ。我慢しろ。ほら…』
「ぃ…ぅゔっ!やめっ!痛っい!はなっしてっ!!」
互いの腹の間で揺れていた俺の盛った熱を根元から握られる。
しかも凄い力で握るもんだから痛みでどうにかなりそうだった。口の端からヨダレが糸を引いて滴る。
『雪乃…ちゃんとお願いしてみな』
「うぐぅっ!っっ!はぁぁっ!庵司っ!」
初めて抱かれるのに、庵司の何かを知った風に感じたんだ…。
寂しい声で
『雪乃…』
泣きそうな声で
『雪乃』
俺を呼ぶもんだから
勘違いしたんだろうけど…
堪らなく可哀想に見えて、彼の我儘を…
聞いてしまったから。
「はぁっ…はぁっ…イキたいっ…庵司っ…はなっしてッ!」
食い込んでいた指が離され、解放されたと同時に果てた。
解放と拘束
その夜から…
俺の普通は音を立てて、崩れていった。
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