* とろけるくも *
とけ落ちる雲。
とけ落ちる雲の波間にのぞく人々の家。
地上に残るその跡は次第に彼等を包囲していく。
誰も気付かず 物音もせず 見渡す限りは灰に染まる。
たった一つ
輝く庭と家とその主とだけを残し 見渡す限りは灰に染まる。
主は雲のきまぐれに ほんの一歩の自由もない。
庭には一つの銀色の 馬に跨がる騎士の像。
窓から見える小さな騎士の像だけが、主の一つの希望だった。
窓辺に佇む微笑みだけが、騎士の一つの希望だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます