13.脅威

13.脅威

ソナタとクライアントは夫の自宅を後にして、あらかじめ落ち合うこととなっていたカフェへそれぞれの車で向かった。これまでの捜査でソナタの中では"ある仮説"ができていて、車中ではその検証をするためタブレットを取り出し、撮影した"台本"を読み始める。中盤まで読み進めていくと、やはり彼女が予想していたシーンが見つかった。ここからは、証拠を提示して事故ではなく事件であることを証明しなくてはならない。"上"にはこれまでの捜査報告をすると共に、新たな協力を要請することにした。と、ここまでは順調に進んでいるように見えるのだが、ソナタの中には常に"違和感"があった。その正体を彼女も正確には掴めていないのだが、"極めて重大"であることを、直感的に気付いている。そして、この車が目的地に到着するまでには明確にし、対策を講じなければならないことも。まずは落ち着いてここまでの経緯を振り返り、"違和感"を解明していく-分かっている事実、今回の調査結果や関係者の発言…ソナタはこれらをパズルのように繋ぎ合わせ、真相に迫る。この推察がすべて的中しているのなら…ソナタをもってしても鳥肌が止まらないほど相手は巨大で、悪の根はとんでもなく深い。そして何より、愛する息子を一刻も早く救出しなくてはならないことを改めて心に誓った。

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