第02話 同属性ブーストはお好みで

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スピーカーの底から湧き上がるような、重厚で癒やされる音楽が流れて来る。

イメージカラーは、コバルトブルー。

上記の音符群のように、密度が濃く、凝縮した音楽に

毎度毎度、感動させられる。

初体験の美幸ちゃんは……泣いてる! 美幸ちゃん、泣いてるやん!

美幸ちゃんの感受性の強さに感動して、こっちが泣きそうになる。


未だゲームは何も始まっていない。ストーリー性でも

その純粋な感受性を発揮して貰わないと!


「これって、小宮くん?」

戦士ネコの名前に反応した美幸ちゃん。

僧侶ハルチ=千春のことは即座に理解されなかった。

みんな千春ちゃんのことハルチなんて呼んでないから。


ミュミュは、確かにテレ関のヒロインの名前だけど、本当の本当は

美幸ちゃんを意識して命名したんだ。

それを知っててネコは、美幸ちゃんにミュミュ風な格好をさせて

連想ゲームをもって、僕の淡い恋心を察知させようとしたんだな!


「戦士マサカネ コミヤ、参上!」

「僧侶ハルチ、見参!」

二人を指差して笑顔になる美幸ちゃん。

「なんか8月のハロウィンみたいだな。ケイだけ私服ですけどお」

むちゃぶりするネコを睨み、自室に引きこもる勇者ケイ。

5分もかけずに、掃除機のヘッド+ノズルを持って来て武器に見立て

カチューシャにスーパーボールを接着して、髪飾りを演出。

「自分ん家だったら、即席でもサマになるもんだな」

「ネコ、俺、片手ふさがってるから、今日はお前が操作してくれよ」

美幸ちゃんが設定で竹ぼうきを抱えているんだ、俺もそれに付き合おう。

「ファンタジーだけあって、登場人物が多彩だねえ」

感心するハルチ、同意する美幸ちゃん。

勇者の使役「運動神経抜群のウサギ」「後ろ足が強い木馬」

戦士の使役「大きな花の植物」「仙人掌の戦士」

僧侶の使役「筋骨隆々な爬虫類」「鉄壁の防御を誇る亀」

魔法使いの使役「未定」「未定」


属性でそろえたら、勇者が哺乳類の使役で、戦士が植物、僧侶が爬虫類。

※仙人掌=サボテン

それ以上所持していないのも理由の一つだが

同属性ブーストが加算されるのに、

無理矢理、魔法使いに割り当てることも無かろう。

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