第131話 彼女の誘惑
しかし、そんな綾香の言葉を聞いた一輝は、
「えっ、綾香さん、それってどういう事ですか?」
直ぐには言葉の意味が分からずそう聞き返すと。
「……もう、一輝くんは相変らず鈍感ですね、それなら分かる様に言って上げます」
綾香はそう言うと、少し緊張しているのか一呼吸置いてから。
「一輝くん、今から私とHな事をしませんか?」
綾香は鈍感な一輝にも分かる様に今度はっきりと一輝の耳元でそんな言葉を口にした。
ただ、今はお互い強く抱き合っているので、一輝から綾香の顔は観ていないのだが。
そう言った綾香の顔は今までにないくらい真っ赤に染まっていた。
そして、そんな綾香の言葉を聞いた一輝は、
「えっ、あっ、綾香さん!?」
かなり驚いた様子でそう言った。しかし、
「予想していましたが、一輝くんはかなり動揺していますね、でも、私が両親の居ない自分の家に一輝くんを呼んだのか分かった時点でこうなる可能性も少しは予想していたのではないですか?」
綾香は一輝に力強く抱き着いたままそんな事を言ったので。
「えっ、えっと……勿論そうなったら良いなって少しは期待していましたが、まさかここまでストレートに言われるなんて思っていなかったので」
かなり動揺しつつも一輝が正直にそう答えると。
「そうですか、そうなったら良いなって期待してくれていたんですね」
綾香は少し勝ち誇った様子でそんな事を言ったので。
「えっ、あっ、えっと、それは!?」
その言葉を聞いた一輝はその場で少し混乱してしまい、何を言えば良いのか分からず悩んで居ると。
「一輝くん、今の時代こんな事を言うのは少し違うのかもしれませんが、私としては彼女がここまで言っているのなら、一輝くんは彼氏として男らしく答えて欲しいです」
綾香は少しだけ声を小さくしてそんな事を言った。そして、そんな彼女の言葉を聞いた一輝は遂に覚悟を決めて。
「……分かりました、確かにここで逃げるのは男らしくないですよね」
そう言うと、一輝は一度言葉を切ってから一呼吸置いて。
「僕も綾香さんとそういう事をしたいです、こんな僕で良かったらよろしくお願いします!!」
そう言って、一輝はより一層綾香の体を強く抱きしめた。すると、
「ふふ、ありがとうございます、一輝くん、それじゃあいつまでもこのままで居るのではなく、私のベッドに行きませんか?」
綾香は一輝の耳元でそんな事を言ったので。
「……ええ、そうですね」
一輝は緊張した声音でそう返事をして、綾香との抱擁を解いた。
すると、綾香は一輝も元を離れ部屋の隅にある自分のベッドも元へ行き、そのまま仰向けにベッドの上に寝転んだ。そして、
「一輝くんも早くこっちに来て下さい」
綾香は甘える様な口調でそんな事を言ったので。
「……ええ、分かりました」
その言葉を聞いた一輝は熱に浮かされた様子でそう返事をして、綾香のベッドの方へと歩み寄った。
ここまで読んで下さってありがとうございます、次回最終回です。
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