第123話 突然のハプニング
そして、一輝は静かに綾香の背後に座ると。
「えっと……それじゃあ綾香さん、行きますね」
一輝は綾香に向けてそう言うと。
「ええ、お願いします、一輝くん」
少し緊張した様子ながらも綾香はそう答えたので。
「分かりました、それでは行きます綾香さん」
一輝はそう言うと、綾香を背中から力強く抱きしめた。すると、
「……っつ!!」
綾香は驚いた様子でそう呟いたのだが一輝はそれどころでは無かった。何故なら、
(っつ、凄く柔らかい!?)
水着姿の綾香を背後から力強く抱きしめた一輝は全身で彼女の肌の柔らかさと体温を直に感じていて、一輝は自分の全身が熱くなり頭も沸騰しているのを感じていた。
ただ、いつまでもこの体制のまま固まっている訳にもいかないので。
「えっと……それじゃあ綾香さん、滑りましょうか」
一輝がそう言うと。
「……ええ、そうですね」
綾香は小さくそう言ったので、一輝は綾香の腰にまわした手を力強く握りしめた。そして、
「それじゃあ綾香さん、行きますね」
一輝は改めてそう言うと、体を一歩前に出してウォータースライダーへと乗って、スライダーの上を滑り始めた。そして……
「ザバーン!!」
数十秒経って二人はスライダーを滑り終えてプールへと勢いよく飛び込んだ。そして、
「……ぷはっ!!」
勢いよくプールから顔を上げて一輝は大きく深呼吸をした。しかし、
「あれ、綾香さんは?」
プールに落ちた時の勢いで一輝は抱き締めていた綾香の腰から手を放してしまい、一輝は綾香の事を見失ってしまっていたので。
「綾香さん!! どこですか?」
一輝が大声で綾香の事を呼びかけると。
「ザバッ!!」
一輝の背後から勢いよくそんな音が響き綾香が顔を出した気配を感じた。なので、
「あっ、綾香さん大丈夫でした……」
一輝はそう言って後ろを振り返ろうとしたのだが。
「ギュ!!」
突然一輝の背後から綾香が力強く抱き着いて来たので。
「えっ、綾香さん、どうかしましたか?」
一輝が少し驚いてそう言ったのだが。
「その一輝くん、今振り返られると私はかなり困ってしまうので、暫くこの体制のままで居てもらえませんか?」
綾香は一輝の背中に抱き着いたままそう言ったので。
「えっと、それは何故ですか?」
一輝がそう質問をすると。
「えっと、その……実は水着が流されてしまって」
綾香がかなり恥ずかしそうな口調でそう言ったので。
「えっ、あっ、それってつまり!?」
一輝は驚いた口調でそう言った。何故なら、もし彼女の話が本当なら今自分の背中に当たっているのは彼女の地肌だという事で。
その事を想像すると、一輝は頭が真っ白になり次に何を言えば良いのか全く分からなくなってしまった。
そして、一輝はその姿勢のまま数秒間固まっていると。
「……スッ」
一輝の背中にあった彼女の肌の感触が消えてしまった。そして、
「……あの、一輝くん」
綾香が小さな声でそう言ったので。
「……はい、何ですか?」
かなり緊張した様子で一輝がそう答えると。
「……あの一輝くん、一輝くんさえ良かったら私の事を見て下さい」
かなり緊張した声音で綾香はそんなとんでもない事を言い出した。
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