第111話 プールデート

「一輝くん、私たちがプールデートをする日付が決まりましたよ」


 夏休み期間中のとある日の夜、一輝はいつもの様に綾香に電話を掛けると、開口一番、綾香はそんな事を言ったので。


「そうですか、因みにそれは何時ですか?」


 一輝が綾香に向けてそう質問をすると。


「三日後の金曜日の午前です、出来れば一日中借りられたら良かったんですが、稼ぎ時の夏休み期間中にさすがにそれは厳しかったので、その日の午前中だけ貸し切る事が出来るようになりました」


 綾香はそう言ったので、一輝は少し考えてから。


「分かりました、僕はその日は大丈夫ですが、颯太と黒澤さんは大丈夫なんですか?」


 一輝が綾香に対してそう質問をすると。


「心愛ちゃんは大丈夫だと言っていました、それと斎藤くんですが、心愛ちゃんがその日は予定があるのか聞いてくれるそうなので、それで大丈夫ならプールデートに行くつもりなのですが、一輝くんはそれでも良いですか?」


 綾香はそう聞いて来たので。


「ええ、僕もそれで良いですよ」


 一輝がそう答えると。


「そうですか、それなら良かったです」


 綾香は安心した様子で言った。そして、彼女は一息入れてから。


「でも一輝くん、本当に三日後で大丈夫なんですか?」


 綾香は再度そんな事を聞いて来たので。


「えっ、何がですか?」


 一輝がそう聞き返すと。


「えっと、それはですね……」


 綾香はそう言ってから、少しの間黙っていたが数秒間経過してから。


「……私の水着姿にはもう慣れましたか?」


 綾香は少し恥ずかしそうな声音でそう聞いて来て、その言葉を聞いた一輝は内心かなり動揺して何と答えるべきか悩んだが。


 こんなところで意地を張っても意味が無いと思って。


「……正直まだ慣れていません、もし綾香さんと二人きりのデートなら僕は色々ともたなかったかもしれません」


 一輝が正直にそう答えると。


「っつ……そうですか」


 その言葉を聞いた綾香は少し驚いた様子でそう言ったので、一輝は慌てて。


「あっ、でも今回は大丈夫です!! 今回は颯太や黒澤さんも一緒に居るので少なくとも前みたいに暴走する事は無いですから!! さすがに僕も人前で恥ずかしい姿は見せられないので!!」


 綾香に向けてそう説明をした。すると、その言葉を聞いた綾香は、


「ふふ、そうですか、その言葉を聞いて安心しました」


 少し笑いながらそう言った。そして、


「それなら私は心愛ちゃんと斎藤くんの予定が大丈夫なら改めて一輝くんに連絡するので、一輝くんは一応三日後にはプールデートに行けるように準備をしておいて下さいね」


 綾香は一輝に向けて言ったので。


「ええ、分かりました」


 一輝はそう返事をし、今日の電話を終えた。






 その後、綾香から二人の予定は大丈夫だったと、一輝は連絡を受けて、三日後に四人でプールデートをする事が決まり。


 それ以降の日は特に何事もなく、夏休みの宿題をしたり気になったアニメを一気見したりしている内にあっという間に日付は流れ。






 遂に待ち望んだ三日後のプールデート当日を迎えた。 

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