Round 19 チャンスアップなしの確変突破は脳が焼ける
魔法発動からしばらく、先バレをこなすこと4回。ようやく騒がしい演出と共に金色の演出がやってきた。
抗いジャッジ──
「南無三ッ!」
── 222 ──
一瞬の間を置いて、タイトルロゴが落下。主人公とヒロインの
「くぅ〜!」
魔法を使ったが500回転まで付き合わされた。回転率が良かったから数年前くらいの投資で済んだが……
「兄弟子ぃ〜ヒキはどうしたのじゃ〜?」
めちゃくちゃドヤ顔で魔王が煽る。その下にはすでにドル箱が3箱。そう……俺より早く引きやがったのである。
「ぐぬぬ……ま、まぁ右打ちで捲ればいいんだよ」
偶数じゃ望み薄だが……
1500発のボーナスを終え、右打ちに入れるか否かの最終ジャッジへ。
「期待してるぞぅ、兄弟子~」
「お願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いします」
――ハーッハッハッハッハッハ!
ヒロインキャラの高笑いと共に、ボタンが現れる……赤くもない。
ダメか……!
両目を閉じてボタンに手を添え、静かに沈める。
――キュィィィィィィィィイン
――オニガカリボーナス!
「ンほホォォォォォォ!」
脳が……脳が焼けるぅっ、これで3000発プラス確変確定じゃあっ!
「くぅ~、さすが兄弟子じゃぁ~」
SEに脳を焼かれる俺と魔王。この高音はマジで脳が焼ける。打ってる人間にしか分からない福音だ。
「見てろよパチンカス魔王、ここ最近の負け分捲ってやんよぉ~!」
◇ ◇ ◇
3、2、1、0――
555!
「よしよしよしッ、これで捲ったぞ」
「わっはっはっは~、絶好調じゃな」
とりあえず万発、万発は超えるぞ。
――ポポポポキューン!
痺れる効果音。脳内は汁が溢れている。ヘヴン状態である。
「生きてるぅ~」
1500、1500、リスタート、1500、3000、3000、リスタート、1500………上り調子どころか乗りに乗っている。これは30000発も夢じゃない。
「魔法様様だなぁ~」
回転、やはり回転はすべてを解決する。制約なんぞクソくらえである。
今の俺に怖いものはない!
「はぇ~バカヅキじゃのぉ」
「魔王も結構出てるじゃねぇか」
リスタートと
「我なんぞまだまだよぉ……やはりパチンカスの兄弟子には勝てんの」
「はっはっは! 褒めるな褒めるな」
銀髪の魔女一番弟子なりぃ~! ガハハ!
――ポポポポキューン!
「「くぅ~!!」」
俺と魔王の宴は続く……
◇ ◇ ◇
投資2万ちょいからの回収約30000発。目の前には大量の特殊景品。これを店の外に偶然ある古物商で交換したその先にあるのは、大量の諭吉お出迎え。
お帰り諭吉、ありがとう諭吉。
「だぁーっはっはっは! 魔法がビシャリとハマったのぉ!」
「まったくその通り! いよっ、魔王様!」
「「だぁーっはっはっは!」」
勝てば細かいことはどうでもいい。偶然回転数が良くなったのだ、確変を引いたのも、確変で鬼がかったように継続させたのも俺のヒキである。
「では、そろそろ対価をもらおうかの?」
「……え?」
途端に鋭い眼光を放つ魔王。
「おぃおぃ兄弟子ぃ~、まさか魔王たる我の支援を受けてノーリスクと思っとったかぁ?」
……いや待てよ、このパターンは命の危険とかじゃねぇな。それに、『
「……飯か?」
「あたりじゃっ!」
だと思った。
ま、回転率バフは本当だし、今の財布の厚みならどんとこいだ。
「魔女と聖女も呼ぶぞぃ」
「うぇ? ……う~ん、呼べ! 祝勝会だ!」
「さすが兄弟子!」
今日は聖女の奴も魔法は使ってないだろうし、大した出費にならないだろ……多分…………多分。
「んで、どこいくんだよ。焼肉?」
「ちっちっち……毎度焼肉では同じ台を打つくらい芸がないぞぃ」
少し歩いた先、俺達が辿り着いたのはあのガチャのある寿司屋――!
「では行きましょうか、当たりを掴みに」
「お寿司楽しみですぅ」
「いざゆかん! 寿司ぃ~!」
パチンコの次は寿司屋で当たりを求める。
パチンカスの習性とは、どこでも活用されるのであった。
◇ ◇ ◇
次回、実践おやすみ。
寿司回です。
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