Round 17 続く天国、ループさせるは己のヒキ
「ヒヒヒヒヒヒヒィッ~! BIGBIGBIGBIGゥッ!」
涎でも垂らすんじゃないかと思うほど聖女のテンションは上がりっぱなしだった。
なおも天国モードは続き、聖女は
天国モードが持続する……?
いつかは転落するものだが、それを無理やり継続させているってことか? 聖女の成せる
神よ、こんなことに応えるんじゃない。
当たりと短い通常時を繰り返すこと数回、俺の台もゆっくり点滅を見せる。
「……お、モード上がったかな?」
7
7
7
いい加減に出玉を確保したいところ。
「あなたも天国、一緒にみませんかぁっ⁉」
俺の台の様子に気づいたのか、聖女は問いかける。その目は
……しかしここで聖女の魔法を頼るは違う。なにより、まためちゃめちゃに奢らされては勝つ意味がない。
――ここは己の力で切り抜けてこそパチンカスだ。
「悪ぃ、魔法はナシだ」
トンデモインチキに付き合ってられるほど、俺の欲求に余裕はない。
未だ、この身は当たりを求める。渇いて渇いて仕方ない。
「うぉぉぉぉぉおおおお!」
※声はイメージです。
◇ ◇ ◇
数時間後、パチンコ屋近くのファミレス。
「んぅ~おいひいでふぅ~」
聖女の魔力切れと共に、お互いの実践は終わった。
どうやら俺も天国モードには入れていたらしく、その後20連。REG比率が高いことが災いしたものの、2000枚以上を取った。ひっさびさにまともな勝利を収めた気がする。
早めにモードをループしていた聖女は俺よりも出玉を伸ばし、大勝ちしたものの……
「すみませぇ~ん、追加の注文お願いしますぅ」
注文しては平らげ、皿は下げられる……繰り返すは数えていない。実践終了後、突然白目を剝いた聖女にはさすがに驚かされた。どうやら相当量魔力を使っていたらしい。
呻くように口から出たのが「おなかすいた……」であった。
「聖女様よぉ、どんだけ食うんだよ」
「ふぇ~? まふぉふふぁふぁいふふふぇひふふぁふぇふぇふ~」
……よくわからんが、魔力が回復するまで……?
こりゃ勝ってもこれだけ燃費が悪かったら意味ねぇじゃねぇか。これは魔法も考えものだ。
「やっぱ普通に打った方がいいな」
「ふぇ? なんれふふぁ~?」
「……なんでもない」
やはりパチンコは実力で勝ってこそ。
誰でも使える魔法こそあるが……それを使うことはまあないだろう。
パチンカスである限りは。
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