第1話 百合が咲き誇る国

光に飲み込まれた私は現在よくわからない場所をゆらゆらと漂っていた。


周りを見渡しても特に何もなく。


動くことは出来るけど宙に浮いてる様な感覚で自由に移動も出来ず。


なんとなく進んでいるみたいではあるので流れに身を任せることにした。


ただ、これといってやることがない私はとりあえず女神様が言っていた世界のことを考える。


もし本当に行けたなら…。


元いた世界では出来なかったことがしたいな。


せっかくのチャンスだし。


そして…。


なんてことを考えていた私だったのだけど。


なんだかゆらゆらが段々と心地よく。


身体もぽかぽかしてきて。


次第に眠気が襲ってきた私は。


やがて眠りにつくのだった…。


…。


……。


………。


ハッと気づく私。


いつのまにか着いていたのか地面に立っていた私は辺りを見回す。


だけど、周りにはなにもなくて。


あれ…どういうことなの…。と考えていると。


後ろから何やら楽しげにしている声が聞こえてくる。


慌てて振り返るとそこにはたくさんの女の子やお姉さんがキャッキャとしていて。


さっきまでなにもなかったのになんで…。と考えていると、こっちに気づいた一人の女の子が嬉しそうに駆け寄ってきて。


「お姉ちゃん!行こっ!」と手を引かれた私は女の子と一緒にその場へ向かう。


遠くでは気づかなかったけどそこには人間のお姉さんやもふもふの耳を生やした女の子。


女神様ほどではないけど羽根を生やしたお姉さん達がいて。


私が現れたことにすごく喜んでいた。


そこでやっと、ここが女神様の言っていた世界なんだ!と気づくとお姉さん達と楽しくお話をしたりした。


やがて、女の子が私に嬉しそうにギュッとすると他の人達も次々とギュッとしてくれて。


ついにはキスをする流れまできてしまう。


さすがの私も心の準備というか。


ドキドキしてしまうわけで。


深呼吸をして気持ちを落ち着ける。


うん。


初めてだけど上手く出来るかな…なんて考えながら…。


あと少しというところで…。


「…い!…おい!」と声が聞こえてくる。


良いところなのに邪魔しないで!と怒りつつ、続きをしようとすると「…っかり!…しっかりするんだ!」とまた聞こえてきて。


だから邪魔しないで!とまた怒りつつ、続きをしようと思ったら。


目の前にはだれもいなくて。


え…。なんで…。と絶望したところでハッと目を覚ます私。


目の前には女性が心配そうに覗き込んでいて。


起き上がりながら、さっきの夢だったんだ…。とまた絶望する私。


隣には「よかった!気づいたんだな!」と安心する女性。


うぅ…。夢だけどあとちょっとでキスできたのに…。と泣きそうになりながら女性の方を見てみると。


そこには金髪で凛々しい顔立ちをしている女性が安堵した表情で私を見ていた。


わわわ!すっごい美人!えっ!えっ!だ、誰!?誰なの!?この美人のお姉さんは!!!なんてあたふたする私。


すると「ど、どうした!?なにかあったか!?」と心配してくれて。


「あ、だ、大丈夫です!」と返事をするとまた安堵する女性。


そんな女性に「あ、あの…ここは…どこですか…?」と尋ねると答える。


「ここか…?ここは…。百合が咲き誇る。リリィブルーム国の丘だ。」と。


というわけでついに女神様の言っていた世界にたどり着いた私。


ここから女の子やお姉さん達とキャッキャうふふの物語が始まるのです!(予定)

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