君の瞳。

一葉迷亭

第1話


 ああ、叫ぼう。この狂わしさは君のおかげだ。僕は、センズリを掻く。白いのが飛び出る前に、ギュっとにぎり股間が痒くて自分の、目玉が痒くなっているのに気づいた。あやうく、触ったばかりの手で掻くところだった。

 ふう、流石にきついものがあるからな。しかし、彼女は、美しいな。髪を君を思って買った櫛でほつれを梳かす。流れた結晶の鮮やかな翳りは、海を数百洗うようだ。

「しかし、この櫛はいい櫛だ。僕が買ったのなんて、ゴミだなゴミ」

「しかし、人形にこころがひつようだという」

 芋虫がはっきり言った。

「いったい、なんの話をしているのだろうね」



 彼女の、瞳は綺麗で触れると変な反応がある。まるで、喋っているようだ。僕をひたすら興奮させた。生きてる!生きてるぞ。接吻した。なんて、美しい顔立ち何だ、神の奇跡いがい、なら、神は何だと言うんだ。

「僕に、罰を与えるんだろうな!」

 風呂ばにもっていき髪を、梳かす。櫛が腐ってるような気がし、離れなくて、ぶんぶん振り回した。彼女の顔をぶっていたようだ。

「うわあああああああああああああああ」

 芋虫が言った。髪の毛だろうが喋りだす。人形には魂が宿るんだ。君は、彼女に、君の愛が、魂を与えてしまったらしい。気をつけろ!人形にこころが宿ったぞ。

「落ち着くんだ!」

「うわあああああああああああああああ」

 男は、頭を抱えて叫んでいた。

 聞こえないらしい。うわ!うわ!



 彼女は、同級生に似ていた。

「しかし!僕がセンズリをこいたら彼女は恥ずかしそうに、渦膜。膜、膜、は、」

 嘔吐した。


 ひとりぼっちの高校生の彼に初めて、声をかけた愛しい人に似ていた。二十歳を越えて、彼女を見かけたときの喜びは裂けていたんだよ。脳みそ揺れて、あっちへこっちへ、てくてくつけて、

 物陰から、ぶりゅんぶりゅんちんこを下半身丸出しながら純愛を歌い、その時から、びゅりゅんと、白いのから芋虫が、あらわれていた。我慢が限界になりだしてたころ、

「あなたは、間違ってはないわ。そこにいる奴ら悪すぎ。悪魔ね。あなたをひとりにして笑うことが好きなのよ」

「いじめよ、いじめよ、戦わなきゃ。あなたがひとりなのは、あなたのせいじゃないわ。」

「戦わなきゃ!」

 男は、股間をぶるんぶるん震わせ走り出したあと、よくわからない家々の窓を割って、ちんちんマン参上を叫んで、彼女に礼をすることにした。

 彼はとても解放された。革命的精神で、彼女に、近づいた。



「ありがとう!」

「いや、来ないで」

 彼女の恐怖をみて、受け入れてくれると思った彼は、裏切られそのままの体勢のまま、ナイフを振り下ろした。何度も。綺麗な瞳だった。もう、今では匂いが、きつい。

 あいつは、何故か出てこなくなっていた。男は、独り言を言うしかなかった。人形は答えないのだから「もう、ずっと洗ってるのに匂いが、取れない。何で、神様、なんで綺麗なものが崩れてるの」

「僕の、日常が。」

「幸福だったのに」


 この、人形をはやくすてて、幸福が消える前に、べつのにしなきゃ。人形がほしいわけじゃなかったのに、君が僕を裏切ったから、

 あれ?あのとき、

 ナイフはいつから取り出したんだ。はじめからだった気がする。どうして?彼女の事が好きなのに。まあ、いいか。

 人形を抱えたとき臭くて、あんなに綺麗だった瞳は牡蠣が腐ってボトッと風呂場で音がした。人形に中身はいらない、改めて男は思った。

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君の瞳。 一葉迷亭 @Itiyoumeiteini

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