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『そういや宇宙人って歩けんの?』
私の近くでごろごろしていた香菜が聞いてきた。
「歩けません。第一、立つこともできません」
『あ、そうなの?なんでー?』
「足先が丸いからです」
『あ、ほんとだー。そんじゃどうやって移動してんの?』
私は手を椅子の腕に置いた。
「椅子です!」「動かすのは超能力です!」
『は?んじゃ、みせてよ』
「わかりました」
私は椅子の腕を強く握ると、こう唱えた。「がはぁ!ごぶらとりまぱかぁ!」
そうすると椅子は浮き上がった。
『あらま、すげえ...』
「移動するのもみたいのですか?めんどくさいですが」
『うん、あたしがめんどくさくないならみたい!』
「えー.....わかりました...」
そういうと私はまだ椅子の腕を強く握り、行きたい方向へ引っ張りながら唸った。
「うぅーん...」
『ええぇ...』
次の瞬間椅子が前に動いた。
「どうですか?びっくりしました?」
『うん...めっちゃ最先端というか....すごい』
私はニヤッと自慢げに微笑んだ。
それから何分か経った頃。
『あたしも乗ってみたい!』
「ダメです。できません。」
『なんでー?なんで決めつけんのー??』
「香菜は超能力使えますか?」
『使えないっちゃ使えないけど...あ、いいこと思いついたぁー!』
そう言うと香菜はニヤニヤしながら私の膝に乗ってきた。
「ちょっと...なにするのですか....?」
『んー?あたしって天才でしょー??あたしが宇宙人の膝に乗って宇宙人が動かすのー!!』
「そんなの..香菜が邪魔でできません」
『へ??』香菜は残念そうな顔をした。
「降りてください」そう言うと
『あーつまんねえのー』と気だるそうに私の膝から降りた。
「お菓子食べたいです」『チーズのあるよ』
それからそんな会話をしながら過ごした。
ジ・エンドぅ
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