第19話 僕とパンツと壁ドン
ご飯を食べ終えた僕と春樹。
もちろんこの流れなら同じ時刻に着替えを始め、同時に着替え終えて、そして一緒に体育館へ向かう流れになった。ここまでは計画通りだった。因みに春樹のパンツは白の生地に、横に黒のしましまが入っているパンツだった。この情報誰かに需要があるのだろうか。この題名の本だったら、読者層のほとんどは性欲溢れんばかりの青少年だろうし、そんな少年の中で、イケメンのパンツの柄が知りたかったのだ!これだけのためにここまで読んだのだって人も珍しいというか、もはや絶滅危惧種レベルであろう。だがしかし、調査報告だ。伝えておこう。
そういえば、確かに春樹がトイレに行っているところを僕はそんなに見たことがないな。体育の時ぐらいしか、そんなことを考えながら、春樹と道を歩いていると、
「トイレ行ってきていいかな?先体育館行ってて。」
まさに立花さんの調査通りであった。だがここでいつものように先に行ってしまっては計画が台無しである。すかさず
「いや、春樹が一人じゃ寂しいだろうから、ここで待っていてあげるよ。べ、別に僕が春樹と行かないと寂しいってわけではないんだからねっ!」
…僕は春樹の前ではSのツンデレキャラらしい。
「ありがとう。」
春樹はそう言ってトイレに行ってしまった。ツッコミとかないのね。気持ち悪っみたいなリアクションないのね。僕みたいななんでも会話をネタにしようとする人にとって、ツッコミがないというのはとても辛いのであった。僕だけが滑ったみたいになってしまうじゃないか…放置プレイってこんな感じなのか?
※ここからは黒歴史級の話となります。読者の皆さまがたや僕自身が恥ずかしさのあまり、生命活動に支障をきたす可能性がございます。これから先を読む際は、ご自身の責任でお読みください。当局は一切責任を負いません。
その後、春樹は男性が普通に用を済ますであろう時間である一分ほどでトイレから出てきた。それから春樹は
「お待たせ。体育館に行こうか。」
といって廊下を歩こうとするのであった。このままでは、体育が終わるまで、春樹が止まる瞬間は存在しないだろう。ではどうやって僕が春樹のパンツを見たと思うだろう。
簡単なことである。
僕自身がなにかしらをすることで、春樹を四秒以上止めればいいのである。簡単で、そして、それが唯一の方法であるではないか。
そして、先に述べたエロDVDから僕らが学ぶべきことは、同性同士なら、パンツを見ることだって、更には顔を見つめあったりすることなんて普通にあることなのである。なんら特別なことではない!確かに、百合展開ではあった。そこから考えると、今から語る行為も、それは薔薇展開なのだろう。この本の読者層ではない腐女子の専門分野なのであろう。だが、目的のためならそういう展開に成ってしまうのも以下仕方ないこと!たとえ男のパンツであったとしても、パンツはパンツである。パンツ好きとして、パンツのためならば、命をもかける。プライドなんて、貞操なんて喜んで捨ててやる。パンツ好きの名が廃るっていうものだ。
僕の左側を進んでいる春樹に対して、僕は彼よりも少し速度を上げて先に進み、そして、横を振り向き、右手を春樹と平行に伸ばし、そして、壁につけたのであった。
俗にいう壁ドンであった。女子高生大好き壁ドンであった。僕には到底なにがいいのか理解できない壁ドンであった。さっきはツッコミを入れなかった春樹も流石に驚いて僕の方を振り向いた。自然、見つめ合う状態になった。
顔が予想以上に近い。息が感じられるほどの距離。
こんな状態でかっこいいコメントを言ってのけるなんて、本当に少女漫画内の男か、恋愛慣れしすぎてしまった男かであろう。しかし、本当に、かっこいい男っていうのは、そんな安っぽい言葉から始まるなんてことないのである。僕が教えてやろう。
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