第05話 僕とパンツと新学期

 学校について、始業式と、それからクラス替えがあって、そんな感じで、今二年B組の二列目一番後ろにいた。

「今年も同じクラスなんて、運が良かったよ!」

 隣から、春樹が僕に話しかけてきた。

「二年連続で親友が同じクラスなんて珍しいな。ついてるぜ。」

 そう、春樹は僕の親友で、中学2年生の頃知り合って、打ち解けたのだった。春樹と僕は趣味がアニメとゲーム、そして、成績も中の上ぐらいで、似たもの同士だった。

 ただ、違うのは春樹の方が断然僕よりもイケメンであること。というか、この学年では一番と言ってもいいほどのイケメンだ。納得いかないのである。なんでこうも能力、趣味が同じで顔だけ差があるのだろうか。不平等だ。

 だが、まじめに論ずれば、そもそも、春樹がイケメンであるといっているのも、そして、人間はみな平等だ、と言っているのも人間なのである。全く世の中というものが、イケメンを定義しているに過ぎないのである。言ってしまえば時代が変われば、イケメンの定義も変わる。平安時代の美人の絵をみればそのことが手に取るようにわかるのである。僕らは時代に、世間に縛られているのである。こんな縛られた世の中に自由を!

 結論を述べると、モテたい。それだけであるのだが。


 そんなことを思いながらも、今も女子たちが春樹の方をみてこそこそ話しているのを見ながら、苦笑いするしかないのである。なんで俺が手を振ったら睨み返してくるのだ!自由民権運動やるぞ!僕が死すとも、童貞死せず!このパンツへの思いよ伝われ!同志達よ!今立ち上がれ!

 そして、彩女とも同じクラスだった。彩女もクラスの女の子と、同じクラスであることを喜んでいた。因みに、その一緒に喜んでいる子は、彩女とは違う感じの綺麗さ、どちらかというと美しい感じの子だった。

 背は女性にしては少し高めですらっとしていて、髪は黒髪で肩を優に越すぐらいに長く、顔は鼻も高く、目もくりっとした、そんな可愛いというより、美しいという感じの女の子だった。ちなみに僕よりも身長が高かった。彼女の身長の大きさに敬意を払う。決して読者よ、僕に憐れみを返すな!宜しく頼むぞ!

 ちなみに、その子のパンツはいちご柄だった。ギャップ萌えだ。萌え悶えるレベルだった。白パン派からいちごパン派に変えようかな。というか、こうやってツを抜けば、普通に公衆の面前でパンツについて語り合えるではないか。僕って天才か?

とはいえ、彩女にもこんな友達がいたんだなぁ…。パンツくまさん柄なのに。

「彩女さんのことが気になるの?」

 そんな感じで聞いてくる春樹に、驚きつつも、親友が真剣なまなざしで女性を四秒も凝視し続ければ何か言いたくなるのは当たり前だ、と思った。流石の僕も恥ずかしく、誤魔化すように、

「彩女と話している女の子って名前なに?」

 そんなことをきいた。

「立花さんのこと?」

 へぇ…、とか呟き返すと、隣で春樹が、

「彩女さんに、君が浮気していたよって言っとくよ。」

 なんて言ってきた。今度は僕が春樹を殴っておいた。これで今日の殴られてきた分、すっきりした。

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