第04話 僕とパンツと幼馴染

 そんなことをしている間に時間が過ぎていたのだろう。用意をして、妹と家を出ると、家の門の前で、東條彩女がすこし怒っているようなかんじで待っていた。


 さて、僕は東條彩女に関して説明しなければならないようだ。

 彼女は僕の幼なじみである。物心つく頃から、彩女とは隣の家で、よく一緒に遊んでいたし、一緒の小学校、中学校だった。身長は僕よりすこし低い感じであるが、決して数値を出すことはあるまい。そんなことをすれば僕の身長まで知られてしまうではないか。髪は黒色で、細い感じ。絹のようなその黒髪を後ろでポニーテールにしている。顔は和服が似合いそうな大和美人である。まぁ、本のいいところは、読んでいる人々が想像力豊かにキャラクターや物語をイメージし、広げていき世界をつくることにあると思う。故にぼくは このようなあいまいな表現にした、決して語彙力がないわけではない。あくまで読者に配慮したのだ。感謝してほしいぐらいだ。僕の語彙力のなさに。

 性格はどちらかというとおとなしい方であるが、決して暗い奴ではない。しっかりということは言うやつだし、表裏がなくて付き合いやすい。そして、おしとやかな風に見えて、子供柄の服とか筆記用具とかを家でこっそり愛用しているそんな一面もある。まぁこれは僕しか知らない話である。いや、決して僕は女性の家をのぞき見していたわけじゃないのだ。違う、たまたま家に行ったときに見えただけで、ホントだ。信じてくれ。

 そして僕は友達としても、そして、女性としても好きなのであった…


 彼女は妹と同じ制服を着ているが、妹と違うのは、胸元にあるリボンの色が高1の緑から青に変わっていて、そして、妹よりもふくよかで、かつ大きすぎないちょうどいい大きさの柔らかそうな胸が、これも強調しすぎないかんじで制服にあっている。

「もう、遅いよ。これじゃ始業式から遅刻しちゃうよ。」

 そんなことを言いながら、身長の差から上目遣いで見てくる彩女が可愛くて、つい

「制服、いつもにまして、似合っているよ。胸の青いリボンが、とってもチャーミングだね。」

 そう、つい彩女のことを褒めてしまう。

「馬鹿っ!そんな事言っても許さないんだから!早くしてよね!」

 そういって、カバンを僕に当てながらも、さらに顔を赤くしてしまう彩女がとてもかわいかった…。

 と、こう文章に起こせば、モテモテイチャイチャライフを送っているように思えるかもしれないが読者諸君!彼女は世の中の女の子が出せるかわからないぐらいのとてつもない力でカバンを僕にぶつけてきて、その後僕を置いていき一人歩いてしまうし、痛さに跪く僕を妹はさらに足狙って蹴ってくるし、ほんと痛い。なんなの?僕泣いちゃうよ?


 そんなことを思いつつ、先に行く妹と彩女を追っていった。

 少なくとも、十年間、僕は彩女のことが好きだったし、あんな感じの冗談を言える関係でもある。けども1回も告白できないし、彩女もそんな素振り見せたこともない。完全に脈なしだ。いっそパンツが見える能力じゃなくて告白が成功する能力がほしいぐらいには絶望的な脈なしなのである。

 そんなことを思いながらも、このくだらない能力を使ってしまうのである。彩女のパンツを覗いてしまうのである。なんて情けないのだって思うかもしれないが、だって、もらったんだし。使わないと損じゃん?見られるもんは見とかにゃ損!

 なんだかんだ立ち止まってくれる彩女のスカートに目線を合わせ、そして、全神経を目に、そして、覚醒させる。頭の中は全て彩女のパンツのことのみ、この空間に置いては、彩女のスカートと、その奥におるパンツしかないのである。

 音も他の動きも全て見えず、そんな感じで四秒ほどが過ぎた。

 それが終わると、頭の中に、ただ、彩女のパンツの柄だけがデータのようにしっかりと残っているのだった。

 ここで間違われないように言っておかなければならない。決して僕はこの時、パンツのぬくもりや香り、三次元的立体感、臨場感を感じられるわけではないのだ。言ってしまえば、たとえば、東京から北海道の温度計のデータを受け取って、うわぁ、寒そうだぁ。ってそんな感じである。

 だから、今回だって、彩女のパンツの感触とか伝わってこないのである。まったく伝わらないのである。ただ、頭の中で、白の生地にくまさんの柄がついているお子様用の柄のパンツであると文字列で伝えられたようなもんである。神様ってのは案外人間のことがわかってないのである。僕は、僕は、スカートめくりで感じられるような興奮が感じたかったというのに!

 しかし安心してくれ。僕ほどのパンツ好きとなれば、その情報だけで今日一日幸せに生きられるのである。想像してくれ。好きな清楚系女教師がいて、その先生が実は今日、黒いパンツをはいているってことが分かったとしたら。もう語るまでもなかろう。それほどまでに恐ろしい。これがパンツの魔力。

 と、ここまで語ったものの、この彩女のパンツ情報は先にも述べたとおり、予想通りの者であり、ほっこりするものであった。


「彩女、相変わらずおまえ、ほんと子様っぽい柄、好きだよな。」

 スカートを抑え。こちらをにらみながらも、え、なんでわかったの?みたいな顔して真っ赤に赤らめ、首をかしげている彩女もやっぱり可愛かった。

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