第03話 僕とパンツと妹

「起きてよ!お兄ちゃん。」

 こうやって文字に起こせば、きっと可愛らしい妹がお布団でも引っ張りながら可愛く起こしてくれているんだろうとか思うかもしれないが、現実はそう甘くない。もう、月曜からこんなストレス抱えて、社会から拒絶でもされているんじゃないか。というかいじめでもあったの?お兄ちゃんが詳しくお話聞いてあげようか?ってぐらいの力で背中をバンバン叩いてくる妹の綾。痛すぎる。というか痛すぎて朝から新たな性癖に目覚めそうになるのであった。

 仕方なく起きると、そこには、もう制服を来た我が妹がいた。妹は僕の妹であるのに、顔がけっこう可愛い。僕は生まれてこの16年ちょっと、1回も花のあるようなことはなかったのに、妹はよくモテる。何回も告白されたことがあるって同じ中学の頃は、そんな噂も聞いたことがあったぐらいモテてたが一回も付き合ったことがないらしい。ほんとはお兄ちゃんのことが好きなんじゃないの?毎朝の起こし方は、ツンデレ式愛情表現?

「お兄ちゃん、おはよう。今日から一緒の学校だね。制服似合っている…かな?」

 そう、妹は今日から高校生だった。僕と同じ学校に合格した妹だったが、制服の紺のブレザーが妹のどちらかというとスレンダーな妹によく似合っていた。スカートはブレザーよりも少し濃い目の紺で、丈は膝下。そう、スカートの丈は膝下こそ至高。そもそもミニスカートなんてだめだ。そこから覗くパンツなんて、そんなもの女の誘惑したい欲にまみれていて見るに耐えないね。だいたい、男がそんなものにウハウハしているから、女も調子に乗ってスカートを短くするんだ。実に汚らわしい。まぁ僕もエスカレーターとか常に上を見ていますけどね。こんな前向きに進むのなんてエスカレーターに乗っているときぐらいですけどがね!

「すごい、似合っていると思う。スレンダーな感じが、すごく、いい。」

 殴られました。痛気持ちいい。


 下に降りていくと、味噌のいい匂いがした。

「お兄ちゃんのせいで冷めちゃったよ。」

 とか言いながらいつもの席に妹は座った。今日も母さんも父さんも、早くから仕事だ。いつもごくろうさまです。僕達のためにありがとう。できれば僕は働きたくないな。そんなことを考えながら、妹の手作りの味噌汁を飲む。とても美味しい。冷めていても妹の愛情が、あったかいよ!そんな感じで、朝食を食べていたが、たまたま、そう、本当にたまたま、お箸を床に落としてしまった。

「お兄ちゃん、まだ寝ぼけているの?」

 そんな声があったが、これはチャンスだ。寝ぼけていたってこんなチャンス、逃すはずがないのである。そう思い、すぐさま机の下にあるお箸を拾おうと、机の下に降りる。そして、すかさず、僕は床など見ないで、横を見る!お箸なんか見ている場合ではない!パンツをみる絶好のチャンス!

 しかしそこに憚るのは絶壁のスカート!膝下スカートである!くそっ!膝下スカートめっ!なにも見えやしない!やっぱりスカート膝下理論崩壊!見えるミニスカこそ至高だ!


 そう思いながら悔しさにじっとスカートを睨みつけ、夢みたいになればいいのに、とそう思っていた。そうすると、まさか信じられないことに、妹のスカートの下にあるであろうしましま柄のパンツが見えるではありませんか!流石に驚いた。思わず驚きで立ち上がってしまった。案の定、テーブルに頭がぶつかり、痛さのあまり、床を転げ回る。

「お兄ちゃん、大丈夫?」

 驚きと痛みから立ち上がれない僕に、あきれた声ながらも心配して椅子から立ちあがってくれ妹だったが、しかし、さらなる驚きはこの後に生まれた。やっと痛みが薄らぎ、落ち着いてきて立ち上がろうとしたその時、妹のスカートの中に頭が入ってしまった。そして、僕の目の前には妹のパンツが広がった。


 そう、僕が透視した通りのピンクと白のしましま柄パンツが!


 誰が驚かずにいられようか!いや、いられまい(反語)。

 能力は本物だ。

 空いた口が、塞がらなかった。僕はパンツをみる能力を手に入れてしまったらしい。そうやって驚いていると。僕の目の前のパンツが…いや、妹が話しかけてきたのであった。

「お兄ちゃん?いつまで私のパンツ見ているつもりなのかな?」

 今度は顔面を足で思いっきり蹴られたのであった。

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