第02話 僕とパンツと夢

 明日から学校があるって思うと実に憂鬱な日曜と月曜日の狭間。そんな時にみた夢だった。

 自然と、自分が夢を見ているって自覚はあった。みんなもよくあることだろう。そういう場合に限って全然エロくない夢を見てしまうってのが世の中上手くいってるところである。けれど、その時見た夢は、いつもみるような日常空間の中の夢とかとは全然違かった。ただ水平線の先まで真っ白な空間内に、僕と神様が二人だけ、向かい合って座っているという夢の中でもカオスな状況だった。

 そしてそんな状態で、神様が僕に話かけてきたのである。


 なにかひとつ能力を与えてやろう、と。


 もし神様が、なにかひとつ能力をくれるっていったら君たちはなにを求めるだろうか。世界を救う能力とか、不思議な超能力とか、子供の時は思っていたこともあった。けれど、年をとった今となっては思うわけだ。どんな能力もらったって疲れるだけだって。どのヒーローも死にそうになるのがオチだ、と。

 僕なら、女の子を操ったり、女の子の服を消せたり、いやむしろ、女の子になる能力を求めたりするね。そう、この物語の主人公はそんな思春期真っ只中の変態なのだ。だいたいあだ名が変態メガネの僕にまともな願いなんて期待しちゃいけない。そんな感じで僕は即答、パンツが透視できる能力がほしいと恥ずかしげもなく神様に行った。

 ただ、これだけは言っておこう。

 突然夢で目の前に神が現れて、欲しい能力を聞かれたら、誰だって戸惑ったあと、どうせ夢だし、エロいことでも願っておこうってなるから。こんなものを読んでいる時点で僕と同じ思想をするに決まっているのだ。だから誰も責めることは出来ない。

まぁ、今となってはこのことを真剣に考えなかったことを今でも悔やんでいるんのだが。

 あぁ、なんでこの時、本当にもっとましな願いをしなかったんだろう。

 もっと、働かないでも金が湧いてくる能力とか、世界を変える最強の力とか、因果律を統制する力とか、なんでこういったのを願わなかったのか。せめて、変態的な願いであったとしても、もっとまともなのがあったと思うのだ。たとえば女の子の心を意のままに操る能力とか、女の子の体に変わっちゃう能力とかさ。なんでよりによって、パンツが見える能力を求めてしまったのだろうか。もう自分に失望しちゃうよ!

 そんな感じの願いだったために神様はもう苦笑い。だが、その力の使用方法を詳しく教えてくれた。教えてもらうと言っても、ほんと簡単なことだった。


 女の子のパンツがあるであろう部分を三秒から五秒間見つめると、その女の子のパンツの情報がわかる。


 これだけ。ちなみに、これはこの四秒間の間、僕の視力と情報処理能力が格段に上がって、肌の色と、それからその上に履かれている繊維部分をデータ分析させて得るから、実際にはパンツが見えているわけではないらしい。それと、その情報処理のため、普通よりエネルギーを使うから、エネルギーが少ない時とか、一日中見つめているとかはできないらしい。

 とにかく、くだらないことによく能力もエネルギーも使えることだ。実にくだらない。もっと見つめるものが、脳みそを使うべきものがあるのではないか、自分よ。パンツ大好きな自分でもほんとそう思うよ。


 そんな感じで、それからは実際に女の子のパンツを見てみようということで、本物の女の子のパンツを透視したりしていた。実に最高な夢だってその時は思ったね。まぁ、男のパンツも見させられたんだが!

 そんな感じで、普通の憂鬱な朝を迎えるはずだった。

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