僕とパンツと

Arare

僕とパンツと能力

第01話 僕とパンツとご挨拶

 この作品を手にしてくれた読者の皆さん。はじめまして。

 きっとこの題名の本を手に取ったということは、僕と同志なのだろうと思うのだけども、単刀直入に聞こう。


 君たちにとって、パンツとはなんだろうか。


 原始人からすれば、それはただの薄い布。急所を守ることなど出来ぬただの無駄な布のように思えるかもしれない。

 だが、ここで言おう。何故、そんな布でわざわざ局部を覆うのか!

 それはその布こそ人間の心そのものだ。僕はそう思うのだ。

 他の動物とは違い、人間は本当に愛し合ったもののみ愛を育み、そして、その結晶を作る。そして、その愛し合ったもののみが、その布の先にいける。いわばパンツとは愛の登竜門である。

 だが、そうと言ってもただの布。頑丈な鉄の覆いではないところが更に人間の心を表している。

 薄く、見えそうで、けれど見えない。ほのかに香りそうな匂い。それは、誰かと愛を育みたいが、しかしそれに臆病にいる人間の心そのものである。

いってしまえば、告白する前のドキドキも、ふとした時にドキッとした一目惚れも、恋人を思いひとり寂しく過ごす夜も、愛を育んだ夜の幸福感も、すべて、パンツに詰まっているのである。

 故に、僕はどんなものよりもパンツを愛するのである。パンツなしに何が語れようか!


 ここまで語ったように、僕は筋金入りのパンツ好きであり、そして、筋金入りの妄想大好き童貞である。童貞で何が悪い。童貞が守れないやつに何が守れるって言うんだ!こうは言ったものの、僕だって童貞じゃなくて、彼女守りたいって思う時もある……彼女募集中です。


 読者ももちろん僕のパンツ論でこの一冊を終わらせたくはないだろうから、そろそろ本題に入らせていただこうと思う。

この物語は、ある日突然パンツを透視する能力を手に入れた僕と、同級生の女性探偵との出会いと、ちょっとした謎を解明するという、いわゆる事件録である。


 そして、その事件の始まりはひょんな夢から始まるのである。

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