死神学校③

先生は、気にせずに授業を続ける。


「私達、死神は人間の魂を迎えに行きます。時には、不条理に命を終える魂もあるのです」


そう言うと、映像が流れた。


目の前で、犯人が5歳の女の子の首を締めたのだ。


「いやっ」


「酷い」


ローズとビオラは泣いていた。


「こう言うのを見せられて、怒りがコントロール(・・・)出来ない。あなた方は、犯人をバンッ(・・・)するのです」


先生は、手を拳銃に見立ててルカに向かって撃った。


「これは、ルール違反です!よって、その死神には足にこちらがはまります」


そう言って、先生は金色の輪っかを手に持って見せる。


「これは、罪人の輪と呼ばれています。これが、二つはまったものは、抹消されます」


その言葉に、怖くなった。


「二度と、生き返れない。だから、こそ怒りをコントロール(・・・)する存在が必要なのです。バーーディは、必ず相手を守るのです。その為の存在なのです」


そう言うと、映像が消える。


「死神の世界には、沢山のルールがあります。そのルールを学ぶ場が、この死神学校なのです」


そして、僕達にプリントを配る。


「死神の役目は、この世界の秩序を守る事です。例えば、男ばかりが増えたらどうなりますか?ローズ」


「少子化になります」


「エクセレント(・・・)!そうです!少子化になります。では、どうすればいいですか?リゼ」


「女性を増やします」


「確かに、そうです!しかし、それでは女性が増えてしまいます。ルカ?」


「均等にする!」


「ブラボー!!ブラボー!!そうです!均等にするのです。男女を、大体同じ人数にするのです。その為に、魂を選別するのです」


先生は、そう言うと僕達を見つめた!


「魂の選別は、神様の仕事です!増やしてみたり、減らしてみたり、あの方が全てします。しかし、今の人間界は、世代交代がうまくいっていません。だから、神様はよくいっきに減らすのです!」


いつの間にか、教壇に現れたジェンガを先生が引き抜いた。


いっきに崩れ落ちた。


「それって」


「天変地異と呼ばれています。だから、戦争や争いのある国では、天変地異は少ないのですよ」


「私、それあいました」


ビオラは、手を上げた。


「天変地異は、仕方ないのです。うまく世代交代が行われない時に、神様が起こす入れ換えだと思ってください」


先生は、悲しそうに目を伏せる。


「それでも、新しい命の誕生を願う人がいるから、仕方ない事なのですよ」


リーン、リーン、リーン


「今日は、ここまでです。明日は、生と死についてお話しましょう」


授業が終わった。


「リゼ君、話せる?」


「うん」


僕は、この日ローズとお茶をした。

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