食堂
死神食堂に来ていた。
雲のハウスと呼ばれる場所に俺達は住んでいる。
上層部は、別だ!
天国に近い場所にいるから、独立した戸建に専属のシェフの死神がついているのだ。
俺達は、違う。1ルームのような部屋が連なっているような造りに、キッチンとトイレのみが、備え付けられている。風呂は、共同だ。
基本的に、キッチンは狭いのでみんな食堂で食事をする。
「ローズは、何を食べる?」
「左手だから、パスタは無理よね」
「食べさせてあげるよ」
「本当に」
「ああ」
「じゃあ、これにする」
ローズは、大好きなカルボナーラを押していた。
俺は、相変わらずのカレーだ!
食券を渡す。
「トッピング何?」
「チキンにするよ」
「パスタは?」
「チーズたっぷりめに」
「わかった」
そう言って、食堂担当の死神は、厨房に消えた。
「上層部に上がれば、牛肉が食べれるのよ!どんな味かしらね?」
「さあ?」
俺達は、鶏肉と豚肉しか知らなかった。
「お待たせ」
「ありがとう」
「持つよ」
俺は、二つお盆を持った。
「ここでいい」
「ああ」
俺は、ローズの前にパスタを置いた。
「冷めるわよ!リゼ」
「後でいいよ」
隣に座って、フウフウしながら食べさせる。
「あーん」
「あーん、美味しい」
俺達は、人間と食べる物も思考も大差ない。
「よかった!」
唯一の違いは、魂の秩序を重んじてるだけかな
俺は、ローズに食べさせ終えた。
カレーを、食べる。
「美味しい?」
「ああ、うまいよ」
「リゼ」
「何だ?」
ローズは、右手首の包帯を見つめていた。
「初めてよね!リゼが怒りを剥き出しにしたの…」
「そんな事はない」
俺は、カレーを食べ続ける。
「嘘よ……。この600年冷静だったわ!彼女に、惚れてるの?」
ローズは、泣いていた。
「そんなわけないだろ?あんな、小便臭い
ルカの言葉で、俺はローズに伝えた。
「信じていいの?」
「いいよ、ローズ」
俺は、ハンカチでローズの涙を拭った。
「信じるわ」
「うん」
俺は、カレーを平らげる。
「ご馳走でした」
「下げるよ」
「ありがとう、ティム」
ティムは、食堂の掃除をしている死神だ!
「じゃあ、またね」
「おやすみ」
俺は、ローズの左手を握りしめた。
人間と違うのは、俺達は、お祝いの日だけしか酒が飲めない事だ。
神様のしもべが作っている赤ワインをお祝いの日にわけて貰うのだ。
赤ワインは、聖なる血だと言われている。
だから、お祝いの日にしか飲めないのだ。
「寝るわ、おやすみ」
「おやすみ」
俺は、ベッドで眠るローズの髪を撫でてあげる。
スゥーとすぐにローズは眠りについた。
「おやすみ」
チュッとおでこにキスをして、ソファーに座りに行く。
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