第10話
大学時代はある意味人生で一番気楽だったかもしれない。
知ってる人間が誰もおらず、軽い人間関係で済むことがほとんどだったからだ。
私も人並みにサークルに入り、楽しい時間を過ごした。
人数が多かったせいか、気の合う人間もいた。
皆で盛り上がるというのは苦手ではあったが、居心地が悪いものでもなかった。
ここまで来るともはや達観しているのか諦観しているのか、居場所がなくても気にならなかった。
表面上の人間関係を作ることがうまくなったのかもしれない。
あとは人数の多いところというのはいいと思った。
嫌な人間と関わらないでいても人数が多いから不自然でもない。
学校では本当に特に苦も無く過ごすことが出来た。
高校から大学と人生の後半にかけて、私は割と幸せだったんだと思う。
能力というフィルターにかけられたコミュニティというのは存外いいものなのだ。
私は学歴至上主義というわけではないが、現状を脱する一つの手段としては学問というのは便利なものだと思う。
学ぶことで世界を理解し、自分が過ごしやすいようにもなる。
また学問で身に着けた努力の方法というのは他にも応用することが出来る。
もちろん努力の入口は学問以外でもいいと思う。
しかしそれは目に見えて成果が出るものがいい。
だから私は点数という数字で見える学問が入口にいいと考える。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます