第8話

高校生活はあっという間だったと思う。

平穏無事と言っていい、何も憂いなく終わった。

しかし、こう歪んでいると、人の得手不得手というものが分かってくる。

大体が一目見たときに、苦手かそうでないかが分かるようになっていた。

そうやって苦手な人間との関わりを断てば、存外生きることも楽ではあった。


こんな性格の私ではあるが、処世術には長けている方だと思う。

苦手な人間には関わらない、そうでない人間とだけ関わっていればいい。

苦手な人間しかいないのであれば、一人でいる。

一人でいることも嫌になったら死ねばいい。


生きるということは、何かと繋がっているということだと私は思う。

だから自分と繋がることに嫌気がささない限り、人間は生きていけるのではないだろうか。

もう少しで立つ年になる。

私もだいぶ疲れてきた。

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