第7話
人間が嫌い。
そう思うようになった私が、知り合いのいない高校に進んだのは当然の選択だった。
高校では友人を作るつもりはなかった。
しかし前にも書いた通り、やはり同じレベルだと気の合うやつが少しはいるものだ。
少ないが友人ができた。
私にとってはおそらく生涯の友だろう。
しかし、人間こうも歪むと仲良くしようとしてきた相手をとことん疑うようになる。
このときにはもう、性善説でなく性悪説を私は信じていた。
高校に入って驚いたことは、自分と他人の人生が如何に違うかだ。
いじめなんてなかった人生、皆仲良くが当たり前の人生。
人それぞれ人生があることは分かっていたが、私は軽く絶望した。
人間の性格というのは環境で決まるのだそうだ。
例え双子でも環境が違うと性格も変わるらしい。
私の性格はとうにどうしようもないほど歪んでいた。
ただ、高校はそこまで悪くなかった。
むしろ私の人生の中ではマシな方だ。
しかし、気持ちは変わらなかった。
死にたいと思いながら日々を生きていた。
だが、後ろ向きではなく、前向きな気持ちではあった。
その日死んでもいいように悔いなく生きよう、そう思うくらいには。
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