第5話
さて振られたショックで自暴自棄になったかと言われれば、そんなことは全くない。
私は勉学に力を入れるようになった。
おかげで学年ではトップクラスの順位になるくらいにはなった。
学校というのは頭が良いだけで教員に目を付けられる世界だ。
当然私も目を付けられ、学級委員を任されるようになった。
しかし、ここで私は教員が嫌いになった。
そもそも常日頃から教員と生徒の在り方は疑問である。
生徒は教員をもてなす存在ではない。
どちらかといえば金を貰っている分教員が生徒をもてなすべきであろう。
例えば教師の給食を生徒が配膳するのは意味が分からない。
生徒間でやればこれはパシリだのなんだの言われる。
また、クラスの問題解決を学級委員にやらせることが、その生徒が周りから良くない目で見られるとは思わないのだろうか。
学級委員だからと教員に命令されるように働かされ、上手くいかなければ役に立たないと罵られる。
昨今教員の質が落ちているというのも納得である。
さて話は逸れたが何故勉学に力を入れたか。
それは知り合いのいない高校に行くためであった。
こればかりは後になっても正解であったと思う。
同じレベルの人間のいる場所というのは心地のいいものだ。
皆仲良くなんて幻想を掲げることなく、似た者同士が仲良くしそうでない者との干渉をなくすことがより良い人生をおくることが出来るのだと思う。
私にもそうしたコミュニティでは友人と呼べる人間ができた。
彼等は私が死んだら悲しんでくれるだろう。
だから私は安心して死ぬことが出来る。
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