第六話 友情

取引から、数日が経ちました。


大蛇は、そわそわしていました。


今日は、少年と、再会する日だったのです。


朝早くから、山のふもとのほうで、どぐろを巻いて待っていました。


昼前になってやっと少年が現れました。


大蛇は歓喜のあまり、消化していた山羊を吐き出すところでしたが、喉のところで止めました。


「あなたのおかげで、村のみんなは助かりました。ありがとう!」


少年は、開口一番、そう言いました。


大蛇は、ぽかぽかと温かい気持ちになりました。


その日、大蛇と少年は、あたりが暗くなるまで遊びました。


そしてそれからも、少年は定期的に訪れ、大蛇と遊びました。


大蛇は幸せでした。

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