第三話 人間の祈り
「大蛇様、村のみんなに食べ物をください」
少年はそう言っていました。
両手を合わせ、顔は涙で濡らしながら、必死にそういったことをつぶやいていました。
少年のつぶやきをしばらく聞いていると、彼の祈りの内容が、少しずつ分かってきました。
少年の住んでいる村は、冷害に悩まされていました。
村人たちは、寒さのせいで作物が育たず、困っていたのです。
村人は、あらゆる手を尽くしましたが、すべてうまくいきませんでした。
このまま作物の取れない状態が続けば、餓死する人が、出てきてしまいます。
そこで村人たちは、最後の手段として、村の近くの山に住む、神秘的な白い大蛇に、村を託したのでした。
少年は、そのための犠牲
つまり、生贄でした。
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