〈ビタミンC〉

 世界的なベストセラー『GО WILD』の著者、ジョン・レイティ博士(ハーバード大学)が、秋田市で開催された東北老健大会で『脳を鍛える運動』という特別講演をした。

「運動は脳細胞を増やし、その形や働きを変化させる」という最先端の研究結果を披露。

「運動が認知症の発症を遅らせる」可能性について学んだ。

 更に講演では「コミュニケーションも脳を活性化させる」という研究結果をも示し、コミュニケーションの頭文字〈C〉を「新しいビタミンC」と洒落て紹介したのである。


 とても気に入った私は、新しい言葉を教えてもらったお礼を伝え、東日本大震災の被災地で経験した「お茶っこ」についてコメントした。

――震災後の沿岸地方で医療活動をしていた際、仮設住宅で閉じこもりがちな被災者に「お茶っこ」というコミュニケーションの場を活用したことなど。

 当時のおしゃべりの様子を思い出し、認知症予防に役立つだろうことを期待して……。


お茶っこだ! コミュニケーションでボケ防止


 参考までに、ジョン・レイティ博士の著書『脳を鍛えるには運動しかない!』を紹介する。

 表紙を開けると、扉頁には、こんなプラトンの言葉が引用されている。

――人生において成功するためには、神は人に二つの手段を与えた。

教育と運動である。

しかし、前者によって魂を鍛え、後者によって体を鍛えよ、と言うことではない。

その両方で、魂と体の両方を鍛えよ、というのが神の教えだ。

このふたつの手段によって、人は完璧な存在となる。――プラトン

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る