〈デジタル人間〉
三好春樹著『介護のススメ!』からの引用であるが……。
「認知症の時間感覚はどのようなものなんでしょう。どうやら、瞬間瞬間を生きているようです。私は『デジタル人間』と呼ぶことにしました」――。
「私たちの時間感覚はどうでしょう。時代はどんどんデジタル化していますが、時間だけはアナログです。つまり、過去、現在、未来という流れの中にいると感じられています。この時間感覚を共有しているから、私たちは話が通じるんです」――。
「ところが、認知症老人は、この、過去、現在、未来という時間の流れを止めてしまったみたいです。だから、過去と現在は区別がなくなってしまって(中略)ワープできるんですね」――。
「時間の流れを共有していないのですから、認知症老人を説得するのは無理です。良く、一生懸命に説得を試みている介護職や家族がいますが、そっちのほうが見当識障害ですよね」――。
と、さすがに介護業界のカリスマは言うことが明快である。
裏表紙には……。
「介護は時間も場所も、言葉も越えるタイムマシンだ! 『問題行動』に秘められたお年寄りたちのメッセージにこそ、誰もが笑顔になれる、豊かな介護を創るカギがある。さあ、老人介護のワンダーランドへ旅立とう!」とある。
千円札でお釣りの来る良書であり、私の座右の一冊でもある。
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