とらとらの短編集

あたしを悩ませるあいつ

あんたっていつもそうだよね。

あたしがパソコンの前に座ると決まって姿を消しちゃう。

なのに、あたしが料理してたり、洗濯物干してたり、用事をしてる時に限って、急に来るよね。

この間なんか、お風呂に入ってる時に来たじゃん。

せっかく、湯船に浸かってのんびりしてたのに。

こっちはマッパなんだからさ、何もできないよ。

そうゆう自分勝手なところ、直した方がいいよ。

あと、寝る前に来るのもやめて、ホント迷惑。

22時とか、際どい時間もやめて欲しい。

こっちはメイクも落として、お風呂も済ませてリラックスタイムだってのに。

そんな時間に来られたって、無理だよ。

翌日に予定あるの、あんただってわかってるじゃん。

あたしたち、一緒に生きてんだからさ、お互い譲り合ってこうよ。

大事だよ？そうゆう気遣い。

あたしも、あんたが来た時はできるだけ、対応するし。

あんたももう少し常識的な時間に来てくれないかな？

そうしたら、もっとたくさん小説が書けると思うんだよね。

だからさ、頑張っていこうよ、あたしの集中力。

てかさ、あんた（集中力）いつもあたしの側にいない時、どこ行ってんの？

いくらなんでも出かけすぎ！

お前（集中力）はバックパッカーかて。

ほぼ、家いないじゃん。

たまに帰ってきてもすぐ出かけるじゃん。

マジ、困るから、あたしがパソコンの前に座ったら帰ってきてよね。

あんた（集中力）がいなくて、せっかくパスワード入力して、ファイル開いたのに、2、3行しか書けなくて、すぐにノーパソの蓋閉めるあたしの気持ち考えたことある？

ねぇ！考えたことあんのかって聞いてんのよ！

あ、ちょ、ちょっと待ってよ……

そんなリュック背負わないで、落ち着いてよ……

ごめん、ごめんて！

あたしが言いすぎた！

だから待って、もうちょっとでかきおわ