第5話
「ユリ!!大丈夫か?!!!」
一希さん?!雪さんもなんで…
今私こんな格好なのに、やだよ…
見ないでよ…
一希さんは私を見て優しく笑いかけてくれて自分のジャケットをかけてくれた
ああ、一希さんの優しい笑顔本当に安心する
私はお礼も言えず、ただただ涙が止まらず
声を上げないように必死に堪えた
「さやさんあっちの診療室の方にユリを連れて行ってもらえないかな?少しこっちでこいつらに話があるなら。雪は悪いがこっちにいてくれ」
「もとよりそのつもりですよ。
今は男が近くにいるってだけでユリさんはストレスでしょうしね。」
「ああ、悪いな」
なにかあっちで話してる声が微かに聞こえてくる。さやが「ごめんね。一緒に戻らなくてごめんね」と背中をさすってくれる
「こんなこと今聞くのは酷だけど、最後まであのクソ院長にやられた?
思い出したくないと思うけど、もしやられてたら一応産婦人科でアフターピルもらいに行かないとだから…ごめん。
一希さん達には言いづらいと思ったから辛い事聞いてごめんね…」
「大丈夫だよ…そこまではされてない」
すぐに下を確認したがやっぱり特に触られた形跡はない
辛い顔をしながらさやが聞いてくれた事は
私の身体を気遣ったもので本当にありがたい気持ちになった
確かに最後までいってたら…
頭の中にあの院長の「俺の子を孕ませたい」という言葉が蘇って吐いてしまった
その時後ろから優しくて大きい手が私の背中を撫でてくれた
一希さん…
ああ、さやと同じで一希さんも辛そうな顔をしている。こんな汚い女もう嫌だよね…
そこで意識を失った
次に目が覚めた時、私は病院のベッドにいた
いつのまにか溺愛されてました @mizinkosan
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