第9話 一希からの視点①

一希からの視点


あの日別れ際にユリさんから連絡先を聞かれて、自分がまだ聞いていなかったことを思い出し彼女が聞いてくれた事が嬉しくてすぐに教えた


彼女も少しは俺のこと興味持ってくれているのかなと思うと嬉しく小学生の遠足前かのようにはしゃいだ


「いきなりホテルに迎えに来いとかいうから驚いたじゃないか。それに兄さんも連絡つかないって怒ってましたよ」


この運転手は小林、俺の秘書の弟だ。そしてこの小林兄弟は俺の幼馴染でもあるため2人の時はいつもこんな感じ

そして俺は昨日ユリさんとの食事を楽しむためにさっさと仕事を切り上げて携帯の電源を切っていた


「で、さっきの彼女が昨日のお相手ですか

洋服まで用意させて、付き合ってるんですか?」


「いや、まだ付き合ってはない。狙ってはいる…」


ゆうじの声にならない声を無視して、とりあえず仕事をした


その日の夕方に隣の部署のやつらが話してるのが聞こえてきた


「お昼にあのレストラン行ったらまたあの白衣の女性がいてさ、まさかの今日隣の席だったわけよ


ずっとどう接触するか考えて思いつかなくて咄嗟にオレンジジュースこぼしちゃって

運良く名刺渡せたわいいけど、白衣がオレンジ色になってもうこれ終わったよな」


「まだチャンスはある!あれってこの近くの歯医者に勤めてる子らしいよ。

よく一緒にいる子が俺らの隣の部署のやつの彼女で

そいつがいうには、最近彼氏に浮気されて別れたらしくて今はフリーだって言ってたな。


俺も狙ってたけどお前が相手じゃなー 」


まてまて今のってユリさんの事じゃないよな?聞きたいけど、連絡先渡しただけでもらってない…


俺以外にも狙ってるのがいるって事だよな

どうしたらいいんだ


歯医者の予約は3ヶ月後だから会いにも行けない

とりあえず連絡を待とう



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