第233話 サーフィンとアクアパッツァ

【重要なお知らせ!】

いつも拙作をお読みいただき、誠にありがとうございます∩^ω^∩


デビュー作である『異種族キャンプで全力スローライフを進行する……予定!』につきまして、各サイトで予約が始まりました!

商業サイトのリンクは貼れないので、近況報告にあるXのリンクからご予約いただけますと幸いです(*´꒳`*)

https://kakuyomu.jp/users/iwasetaku0613/news/16817330665048683627


続刊やコミカライズなど、発売日から1週間の動きがとても大事なので、何卒よろしくお願いいたしますm(_ _)m


また、アルファポリス様の規定により、カクヨム様では22日の夕方ごろから書籍1巻該当部分を非表示とさせていただきますので、よろしくお願いします。






「……みんな元気だよなあ」


「なんだかおっさん臭いですね」


「やかましいわ!」


 相も変わらず俺よりも早く海から上がって、タープの下で午前中と同じように漫画を読んでいるソニアだけには言われたくない!


 みんなで昼食をとったあとも、各々で海を満喫している。


「確かに先ほどのサーフィンという遊びはなかなか面白かったですね。ユウスケが何度も海に落ちている姿は、とても面白かったですよ」


「そういう面白さはいらん!」


 先ほどまで、俺とソニアたちはサーフィンを楽しんでいた。サーフィンは元の世界で一度はやってみたかったけれど、なんだかんだでやる機会がなかったんだよな。


 意外とサーフボードはそれほど高価ではなく、安いものなら金貨6枚くらいで購入できたのだが、サーフボードを購入する際にみんなが悩むのは金額というよりも、その置き場である。俺の場合はストアの能力で購入したものは収納できるからな。


 ……しかしサーフボードが金貨6枚程度なのにキャンプギアはそれを余裕で超えるから恐ろしいぜ。


「それにしてもみんな運動神経がいいよな。こっちは数秒波の上に立つのがやっとだってのに……」


 海の方を見ると今はアルジャが器用にサーフボードの上に立ち、うまく波に乗っている。


 俺もさっきやってみたのだが、実際にやってみると本当に難しい。バランスを取るのが自転車のそれの比じゃないんだよな……もはや何回海に落ちたのか分からないほどだ。


 だけど俺にもほんの一瞬だけ波に乗れたと思える瞬間があり、その一瞬だけは最高の気分だった。あれはサーフィンにはまってしまう人が大勢いる理由がよく分かるよ。


 俺もこれからだ――というところで見事に体力が尽きて今はダウン中だ。ウドの方はまだ俺と同じように波と悪戦苦闘している。


「あれは波に乗り出すタイミングとバランス感覚が大事ですね。波の上ににうまく乗れた時の感覚は他の遊びにはないものがあります」


 ちなみにソニアはテイクオフという波に乗る技術をすぐにうまく掴んで楽しんでいた。どうやら見たこともないサーフィンという遊びには興味があったようだ。


 それにしても、ソニアもアルジャもみんな本当に運動神経がいいよな。この短時間でよくここまでうまくサーフィンができるようになったものだ。




「うわあ~とってもおいしそうですね!」


「これは豪勢だな」


「このアクアパッツァはイドが釣ってくれた一番大きい魚を使ったんだ」


 イドとウドの視線の先には色とりどりの野菜と数種類の貝、そしてその中央には大きな魚が丸々と入ったダッチオーブンがある。


 アクアパッツァ、魚をオリーブオイルでソテーし、白ワインや野菜やアサリなどで煮込んだイタリア料理だ。魚一匹を丸々使うため、頭や骨からもダシがしっかりと出て、魚や貝の旨みを存分に味わえる料理だ。


 イドが釣ってきてくれた大きい魚の鱗や内臓を取り除いて下処理をする。その魚に切れ目を入れてダッチオーブンで軽くソテーし、貝とエビを投入してからサッと火を通して白ワインと水を投入してしばらく煮込んで完成だ。


「こっちのはホイル焼きだニャ。いろんなお魚が入っているニャ!」


「とてもいい香りがして、本当においしそうです」


「こっちのホイル焼きもみんなが釣ってきてくれた魚を使ったんだ」


 このホイル焼きもみんなが釣ってきてくれた様々な種類の魚の切り身を使っている。やはりホイル焼きには淡白な白身魚と玉ねぎやキノコがよく合うんだよな。そしてバターと醤油のこの香りが本当にたまらない。


「こっちのアヒージョはいつも通りおいしそうですね!」


「ブルル♪」


 サリアの前にはエビや貝類などの魚介類を使ったアヒージョだ。キャンプ場でもアヒージョを提供はしているが、今回の食材は市場で購入してきたばかりの新鮮な魚介類だから楽しみだな。


「ユウスケ、こっちのはいつもの塩コショウではないのですか?」


「おお、よく気付いたな。実はこっちのやつは魚用のアウトドアスパイスなんだ」


 他にも昼間と同じ海鮮バーベキューも用意してある。そして今回は塩コショウではなく、魚用のアウトドアスパイスで味をつけた。


 この世界にやってきた時にはなかった魚用のアウトドアスパイスだが、どうやら新しい商品がストアに追加されていたようだ。もしかすると、元の世界で新しく販売された商品なのかもしれない。


 魚用のアウトドアスパイスも複数あって魚に合う味噌味やわさび昆布味などがあった。……これを作った人、本当によく分かっているよね!




「ブルルル!」


「おっ、おいしいかアリエス」


 アリエスはおいしそうに焼いた魚や貝を頬張っている。アリエスの言葉は分からないが、最近はおいしいと言いたげな表情はよく分かるぞ。


「うわあ~魚の味がしみ込んでいて、とってもおいしいです。それにとっても見栄えのいい料理ですね」


「魚だけでなく貝の味も十分にしみていてうまいぞ」


「アクアパッツァには派手な味付けはしていないからね。純粋な魚介類の旨みが味わえる料理なんだよ」


 とはいえ日本人の俺はこの料理にすら醤油を入れたくなってしまうんだよね。醤油万能すぎるぜ!


「こっちのお魚はおいしいニャ!」


「自分で釣った魚だと余計においしいと思うよ」


 多分俺よりも、昨日釣りを楽しんできたみんなの方がこれらの料理をおいしく感じているのだろう。今度海に来た時は俺も海で釣りをしてみようかな。


 そんな感じでみんなとおいしい海鮮料理を楽しんだ。

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