第232話 海鮮バーベキュー

【重要なお知らせ!】

いつも拙作をお読みいただき、誠にありがとうございます∩^ω^∩


デビュー作である『異種族キャンプで全力スローライフを進行する……予定!』につきまして、各サイトで予約が始まりました!

商業サイトのリンクは貼れないので、近況報告にあるXのリンクからご予約いただけますと幸いです(*´꒳`*)

https://kakuyomu.jp/users/iwasetaku0613/news/16817330665048683627


続刊やコミカライズなど、発売日から1週間の動きがとても大事なので、何卒よろしくお願いいたしますm(_ _)m


また、アルファポリス様の規定により、カクヨム様では22日の夕方ごろから書籍1巻該当部分を非表示とさせていただきますので、よろしくお願いします。






「ユウスケこそもっと海を楽しめばいいのではないですか?」


「さすがに俺は少し休憩だ。それにしてもみんな本当に元気だよな」


 海で遊び疲れて、少し休憩をするためにタープへ戻ってきた。タオルを敷いたアウトドアチェアの上に腰を下ろす。


 30を過ぎたころから多少は体力の衰えを感じてくるんだよなあ。いやいや、俺はまだそこまでおっさんじゃないからまだまだ元気だぞ!


「最近はいろいろと忙しかったですからね。今回の旅行はみんな良い気分転換になったと思いますよ」


「確かにここのところ、いろんなお客さんが来てキャンプ場も忙しかったもんな。うん、アリエスがキャンプ場に来てくれていろんな場所に行けるようになれたし、また少ししたらいろんな場所へ旅行にいくとするか」


「いいですね。いろんな場所に行くのも楽しいものですよ。その土地のおいしい食材を食べることができますからね。ユウスケが作ってくれる料理はとてもおいしいですが、この辺りでは見かけない食材を使った料理をぜひ作ってほしいです」


「そうだな。やっぱりうまいものは正義だ」


 いつもの食材で料理を作るのも良いが、ここはせっかくの異世界。元の世界では見たことがないような食材を食べるのも大きな楽しみだ。


「それじゃあ、差し当たって市場で買ってきた食材を使った昼食の準備を手伝ってもらうとするかな!」


「………………」


 あからさまに嫌そうな顔をするソニア。うん、いつも食事の準備は手伝わない分、こういう時はちゃんと手伝ってもらうとしよう。


 ……というより、今も海で楽しんでいるみんなに食事の準備を手伝ってもらうのは少し申し訳ないんだよね。とはいえひとりで準備するのは大変なので、のんびりと漫画を読んでいたソニアに声を掛けたわけである。


 ソニアも冒険者をしていた時期が長く、料理ができないわけではない。ただ面倒くさがっているだけなんだよな。


 そんな感じでソニアと一緒に市場で購入してきた魚をさばいたり、火を起こして昼食の準備をし始めた。




「これはうまそうだな」


「海で遊んでお腹がペコペコだニャ!」


「ブルルル」


 今日のお昼ご飯は海鮮バーベキューだ。浜辺で行うのはやっぱりこれだよな!


 すでにバーベキューコンロで火を起こし、準備された皿の上にはヴィオの街の市場で購入してきた様々な種類の魚や貝やエビなどが載っている。肉中心のバーベキューも良いが、せっかく海の街に来たわけだし、今日のバーベキューの中心は新鮮な魚介類だ。


「さあじゃんじゃん焼いていくから、好きなだけ食べてくれよ。今回はいろんなタレもあるからいろいろと試してみてくれ」


 コンロの上にどんどんと食材を載せていく。これだけの大人数なので、コンロもふたつ用意してある。


「うわあ、このリッキム貝はとってもおいしいです! やっぱり貝には醤油がよく合いますね!」


「ああ、昨日市場でも食べた貝だったな。……うん、確かに塩だけでもおいしいけれど、俺も醤油を垂らしたほうが好きだな」


 サリアが食べているのは手のひら大の少し大きめな縞々の模様の入った貝だ。ホタテのような感じで2枚ある貝の上側の部分だけを外して火にかけ、ジュウジュウと焼き上がったら貝の上に直接醤油を垂らしてそのまま食べる。


 柔らかくて少し甘い弾力のある貝の身に焦げた醬油の香りが加わってめちゃくちゃうまい!


「こちらのドナルシュリンプも素晴らしい味です! シンプルな塩味でもとてもおいしいのですが、こちらのスイートチリというソースもよく合いますね! 新鮮で臭みのない身のプリプリとした食感と旨みがよく伝わってきます」


「うん、カニとかエビは死ぬとすぐに臭みが出るけれど、さすがに買ったばかりのエビは新鮮でおいしいね。こっちのスイートチリソースも魚介類には結構合うんだよ」


 ソニアはドナルシュリンプという大きなエビを頬ばっている。エビは竹串を使って背ワタを取り除いて、殻が付いたまま直接炭火の上で豪快に焼いていく。焼き上がったら熱々の殻を外して食べる。


 シンプルな塩味だとエビの身のうまさがダイレクトに伝わってくる。スイートチリとはタイ料理やベトナム料理によく使われるソースで、辛みと酸味と甘みがあって魚介類と相性がいいんだよね。


「こっちのお魚もとってもおいしい! 焼いて少し味を付けただけなのにこんなにおいしいなんて驚きです!」


「ああ、確かにこれはうまいぞ。とても脂が乗っているな」


 ウドとイドが食べているのは市場で購入してきた干物だ。昨日みんなが釣ってきた魚もあるのだが、炭火で直接焼く場合には水分の少ない干物の方が適している。こちらには定番の醤油と大根おろしが最強だな。もちろん異論は認める。

 

「どれも本当においしいニャ!」


「ええ、普段食べ慣れていないというのもありますが、本当に素晴らしいです」


「ブルルル♪」


 みんなとてもおいしそうに海鮮バーベキューを食べてくれている。というよりも、みんなで楽しく遊んでお腹が空いてるこの状況ならば、ただのカップラーメンでも十分過ぎるほどおいしく感じるだろうな。


 さらに男性陣はキンキンに冷えたビールまでついている。おいしい海鮮バーベキューとキンキンに冷えたビールの相性は抜群である。そして真昼間から酒を飲んだくれるという補正も相まって、久しぶりに心から満足できる昼食を食べられた。

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