第178話 更なる戦力強化
いつも小説を読んでいただきまして、誠にありがとうございます♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)
昨日より現代ファンタジーにて新作を投稿しました。どうぞこちらの作品もよろしくお願いします!
【食いしんぼうエルフ姫と巡る、日本一周ほのぼの旅!】
https://kakuyomu.jp/works/16817330656118232209
宣伝失礼しましたm(_ _)m
―――――――――――――――――――
馬小屋と馬車の設計は大親方達に任せることになった。別に今すぐに必要なわけではないし、馬も購入する必要があるからのんびりと待つとしよう。
「そういえばアルジャ殿は短刀を使うのだったかな?」
「ええ、こちらのような武器を使っております」
アルジャが持っている小型のナイフをアーロさんに手渡した。
「……ふむ、なかなか良い仕事じゃな。それにしっかりと手入れもされておる」
「ありがとうございます。こちらの短刀はだいぶ前になりますが、別の街の鍛冶屋で作ってもらったものです」
アルジャは元Bランクの冒険者だから、武器や防具のほうはそれなりのものを使っているのだろう。
「しかし長年使っていたようじゃし、そろそろ寿命かもしれんな」
「ええ、長い間使っていましたし、研ぎを繰り返して寿命となります。そろそろ買い替えようと思っていたところです」
どうやら優れた武器や防具でも寿命はあるらしい。いくら魔法のある世界でも、消耗させない魔法みたいなものはないようだ。
「ちょうどよい、よければワシにアルジャ殿の短刀を作らせてくれんかのう?」
「えっ!?」
「実は例の変異種の牙の素材をみなで分けたんじゃ。加工の目処もついたし、試しに何か作ってみたくてのう。せっかくじゃから、アルジャ殿の武器を作らせてくれんか? もちろん費用はいらんぞ。使い心地を教えてくれればそれでよい」
「そ、それはさすがに申し訳ないです。ただでさえみなさんの鍛冶の腕は私の腕と釣り合っておりませんので……」
「なあに、アルジャ殿は元Bランクの冒険者じゃろ。それならまったく問題ないわい」
「そうじゃな、ワシも変異種の牙の素材を使って、ランド殿やバーナル殿の武器を鍛える約束をしておる。どうせワシらは引退した身じゃからな。今は代金をもらって武器を鍛えるよりも、気心がしれた者の武器や防具を作ったほうがええわい」
そういえば大親方達は変異種の巨大な牙の素材をみんなで分けたらしい。牙はかなり硬いから、加工するためには準備が必要だと言っていたが、もう準備ができたのか。
「せっかくだから作ってもらったら? 今度アルジャには馬車の御者をお願いしようと思っているし、武器は良いものを持っておいたほうがいいよ。アーロさん、費用はこちらで出しますのでお願いします」
「趣味のようなもんじゃから、費用はいらんのじゃがのう。まあ前回と同じで材料費だけいただくということでどうじゃ?」
「わかりました、ありがとうございます。他にも必要な費用があったら教えてくださいね」
「ア、アーロさん、本当にありがとうございます! ユウスケさんもありがとうございます」
アーロさんに変異種の牙を使ってアルジャの武器を作ってもらうことになった。また何が起こるか分からないからな。備えられることは備えておくことにしよう。
ちなみに俺も武器を作るかとダルガに一応聞かれたが、すぐに断っておいた。素人が鋭い切れ味の武器を持つと逆に危険だからな。そのあたりはみんな賛同していた。
その代わりにダルガにはソニアの弓矢の鏃をいくつか作ってもらうことになった。変異種の時にあれほど強力だった矢が更に強化されるとかどうなるんだろう……
◆ ◇ ◆
キャンプ場の営業を再開してから2日が経った。さすがに変異種騒動で街も大騒ぎになったし、そのあとにおこなった宴会でみんなだいぶ満足してくれたようで、いつもよりお客さんは少ない。とはいえ少しすれば、またすぐに客足も戻るだろう。
「ユウスケ殿。少し良いかのう?」
「ええ、大丈夫ですよ」
今日はオブリさん達エルフ村のみんながキャンプ場に来てくれた。そしてオブリさんに呼び止められた。
「以前ユウスケ殿から教わったチーズの作り方をもとに試行錯誤して、ようやく納得のいく出来になってのう。改めて礼を言うわい」
「おお、それは良かったです! こちらこそ、ここに温泉を掘ってもらった時は本当にありがとうございました。おかげさまで、毎日温泉が楽しめるようになりましたよ」
「ここの温泉にはワシらも世話になっておるから、気にする必要はないぞ。それで、もしユウスケ殿達がよければなんじゃが、一度ワシらの村に来てみぬか?」
「えっ!? オブリさん達のエルフの村へですか?」
「うむ。ユウスケ殿達には同族であるサリアも世話になっておるし、ここでは村のみんなが世話になっておるからのう。みんなと話し合って、ぜひユウスケ殿やここにおる従業員のみなをワシらの村まで招待したいという話になったんじゃ」
「おお、それは光栄です! ありがとうございます。みんなには後ほど確認しますが、ぜひ行ってみたいですね!」
エルフの村か、とても興味があるな。やっぱりファンタジーな村だったりするのだろうか?
「とは言ってもそれほど大した村ではないから、あまり期待はせんでおいてくれよ」
そうはいってもエルフの村だから否が応でも期待してしまうな。それにたとえ普通の村であったとしても、こちらの世界に来てからあの街くらいしか行ったことがないから楽しみだ。
キャンプ場の運営も安定してきたし、そろそろ休みを取ってみんなで旅行でもしてみようと思っていたところだ。プチ社員旅行みたいな感じでオブリさん達の村にお邪魔させてもらうとしよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます