思い出とデート 梨子side

先週、親友の唯衣から連絡が来た。

『来週の日曜空いてる?遊ぼ』

唯衣とは最近会ってなかったから、久々に会って話したいことがたくさんある。すぐに返信して、あっという間に予定が決まった。

今日の10時に、街の中心部の駅前に集合。


予定より若干過ぎている今の時刻。

「ごめんなさいっ」

遅れて来た私は、全力で謝っている。

「うわ。梨子やってるわあ」

とか言いつつも笑ってる唯衣。

「許して?」

つられて私も口元が緩む。

「しょうがないなぁ。私優しいから」

「ありがと」

高校のときからこんなノリだから、慣れたもんだ。


ふざけた会話をしながらも2人でぶらぶら歩いて、服やらコスメやらをたくさん見ている。気に入ったものは買うけど、ほぼウィンドウショッピング。

歩き疲れて、近くのカフェに入った。コーヒーを飲みながら雑談。

「梨子は最近どう?今井いまい君は元気?」

「今井って……。ゆうね」

優は私の部屋の真上に住んでいる人で、弟みたいに思っている。唯衣は優と会ってみたいらしいけど、ぼけ〜っとした優が、頭の回転が速くて色々まくし立てる唯衣と話しても大丈夫だろうか。そんな私の心配をよそに、唯衣は話題を切り替えた。

「私この前、高校の同級生に会ったんだよね。連絡先交換したんだけど、梨子のも欲しいって言ってたからあげたよ」

「うん。高校の人ならいいよ」

誰だろ……?高校生のとき仲良い人はたくさんいたからなあ。




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